(ブルームバーグ):トランプ次期米大統領の就任で市場には今年、不確実性が生じるとみられ、それが魅力的な債券リターン実現を後押しするもう一つの要因になると、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)はみている。
ピムコによれば、米国債利回り上昇と金融緩和観測の後退に加え、予測不可能なことが債券投資の長期的なリターンにつながる見通し。世界最大規模のアクティブ運用債券ファンドを手掛ける同社は、債券への資金流入で恩恵を受ける立場にある。
エコノミストのティファニー・ワイルディング氏とグローバル債券最高投資責任者(CIO)のアンドルー・ボールズ氏は「不確実性は確実」と題したリポートで、「次期政権の保護主義的な提案は通商関係を再構築し、世界経済の力学を変える力がある」と指摘。政権交代で経済面の不安が高まる中、債券の安定性という魅力を強調した。
また「株式バリュエーションや信用スプレッドが魅力的でない時に債券利回りは魅力的であり、質の高い債券では望ましい出発点になる」と分析。「各国・地域の金融緩和サイクルで最終的な政策金利について市場が織り込む水準は、われわれの基本シナリオに比べやや高いと見受けられる」と説明した。
さらに、向こう半年-1年について投資家が留意すべき分野の一つに日本を挙げた。「為替レートの変動はあってもインフレ期待の高まりが基調的なインフレを支える」とし、日本銀行による0.5ポイントの利上げを予想している。
原題:Pimco Says Own More Bonds as Trump Ushers in Era of Uncertainty(抜粋)
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