(ブルームバーグ):15日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=157円台後半で底堅く推移。来週開かれる日本銀行の金融政策決定会合に向けて、利上げを織り込む動きが円を支えている。
三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長は、日銀の氷見野良三副総裁は14日の講演で1月利上げに含みを持たせたとし、市場が予想する利上げ確率は6割程度でさらに織り込む動きになっていると述べた。
日銀の氷見野副総裁は14日、神奈川県金融経済懇談会で、今年度の賃上げの強い結果に期待感を示したほか、トランプ次期米政権の政策について、来週の就任演説で「大きな方向は示されるのでは」と語った。
一方、日本時間15日夜には米金融政策の行方を占う上で注目の米消費者物価指数(CPI)が発表される。市場では雇用統計の堅調な内容などを受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの見方が強い。14日の米10年国債利回りは一時4.81%程度と2023年11月以来の水準に上昇した。
三菱UFJ信託の酒井氏は、「ここまで出ている物価関連の指標は総じて強めの結果が続いており、米CPIも上振れる可能性が高い」と指摘。ただ、「すでにインフレ懸念は出てきてドルが買われているので、よほど上振れない限りドルがどんどん買われていくとはみていない」と話した。

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