昨年12月の米雇用統計では、雇用者数が3月以来の大幅増加となり、失業率は予想外に前月から低下した。利下げ休止の論拠を裏付ける内容となった。

 

高い借り入れコストや根強いインフレ、政治的な不透明感にもかかわらず、労働市場が昨年も持ちこたえたことを今回の統計は示した。2024年は労働需要が鈍化し、失業率は上昇したものの、雇用者数は通年で220万人増加した。伸びは23年の300万人を下回ったものの、19年の200万人を上回った。

雇用統計は事業所調査と家計調査の2つで構成され、今回は家計調査の年次改定が含まれた。7月の失業率は当初の発表時点で4.3%に上昇し、9月の大幅利下げに道を開いたが、今回4.2%に下方修正された。労働市場が夏の間も従来の想定よりいくぶんか堅調だったことが示唆された。

インフレ目標2%への進展が足踏みしているように見受けられる中、米金融当局者は利下げに関して今年は慎重に動く方針を示しており、今回の統計はそれを補強しそうだ。統計発表後に、次回利下げ時期の予想はさらに後ずれした。来週には12月の米生産者物価指数(PPI)と米消費者物価指数(CPI)が公表される。次回の連邦公開市場委員会(FOMC)会合は1月28-29日に開かれる。

フィッチ・レーティングスのチーフエコノミスト、ブライアン・コールトン氏は「FOMCが利下げを開始した9月に高まっていた、労働市場の急激な悪化リスクを巡る懸念は、多少和らいだ。利下げペースがこの先減速するのは間違いなさそうだ」と、統計発表後にリポートで指摘した。

12月は業種別で見ると、ヘルスケア・社会扶助、小売り、娯楽・ホスピタリティーなどで雇用が増加。政府部門でも増えた。一方、製造業は過去5カ月で4度目の減少となり、昨年は計8万7000人の雇用減となった。

労働参加率は62.5%で横ばい。今回の統計では、恒久的な失業者が減少し、自発的な離職者が増えたことも示された。失業期間の中央値は若干短くなった。

平均時給は前月比0.3%増。市場予想と一致した。前年同月比では3.9%増。予想は4%増だった。労働者の大半を占める非管理職の賃金上昇率は前月比0.2%増。前年同月比では3.8%増と、21年半ば以来の低い伸びにとどまった。

非農業部門雇用者数の年次改定は、2月7日に発表される1月分の雇用統計に反映される。昨年8月に発表された推計値では、24年3月まで1年間の雇用者増が81万8000人の下方修正となることが示された。これはリセッション(景気後退)期だった2009年以来の大きさだ。

統計の詳細は表をご覧ください。

原題:Strong US Jobs Report Backs Case for Pause in Fed Rate Cuts (1)(抜粋)

(統計の詳細とエコノミストのコメントを追加し、更新します)

--取材協力:Chris Middleton、Molly Smith、Nazmul Ahasan、Maria Clara Cobo.

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