米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で7日に発生し、強風で燃え広がり甚大な被害をもたらした山火事は10日に入り、消火活動によって鎮火が進み始めた。こうした中、当局者は被害が拡大した原因を巡り責任のなすり合いを繰り広げた。

ロサンゼルス市消防局のクローリー局長は地元メディアとのインタビューで、市のトップが同局の予算を削ったため消火活動に支障が出たと非難した。これに対し、バス市長は消防局予算を1700万ドル(約26億8000万円)強削減したことについて、予算が厳しい中で決定したもので、火事への対応への影響はなかったと釈明した。

カリフォルニア州のニューサム知事はロサンゼルス市水道電力局に書簡を送付し、消火栓の水が繰り返し不足した原因を調査するよう求めた。知事は、同州の防火対策を批判しているトランプ次期大統領にも、ロサンゼルスを訪れるよう要請する書簡を送った。

ロサンゼルス郡検視局の10日午後の発表によると、これまでに死者11人を確認した。当局者によると、今後さらに増加する可能性がある。

現地の強風は10日には弱まる見通しで、消火活動がさらに進む可能性がある。

米気象予測センターのアリソン・サントレリ予報官によると、気象パターンの変化に伴い風はいったん弱まる見通しだが、13日には再び強風になり、降雨の兆候はない。サントレリ氏は「ロサンゼルスの盆地全域で風が弱まり、これ以上の山火事の拡大は抑えられる。ただ、来週の初めには再び状況が悪化する可能性がある」としている。

カリフォルニア州林野火災防止局によると、複数発生している山火事のうち、最大規模の沿岸部パシフィック・パリセーズ火災の10日時点の鎮火率は約8%、ロサンゼルス中心地北部のイートン火災は約3%にとどまる。

被害拡大

米国第2の都市ロサンゼルスでは、火災の被害規模が明らかになりつつある。消防当局によると、住宅や商業施設など少なくとも1万棟が被害を受け、焼失面積は約1.2万ヘクタールに及ぶ。

ロサンゼルス周辺の広範囲を焼き尽くしている今回の山火事は、米国で起きた自然災害の中で、最も高額なものになる可能性がある。

カリフォルニア州は9日、保険会社に対し、被災地域での住宅用火災保険の解約や更新拒否を1年間に渡り禁止するとした。被災地域や、周辺地区の住民が対象となる。

気象情報サイトのアキュウェザーによると、保険対象外の被害や、賃金損失やサプライチェーン(供給網)の混乱などの間接的な経済的影響を含めた被害総額と経済的損失は、推定1350億-1500億ドル(約21兆3200億ー23兆6800億円)に上る。

この数字が正しければ、米国環境情報センターの記録にある、1980年以降に発生した23の大規模な山火事による被害総額1480億ドルに匹敵する。

山火事は、住民への電力供給を事前に停止した電力会社の経営も圧迫しそうだ。電力会社エジソン・インターナショナルの南カリフォルニアの支社は、保険会社の弁護士から、火災に関する証拠を保全するよう求められている。

9日にカリフォルニアの規制当局に提出された同社の資料によると、現時点ではどの消防機関も、同社の電力設備が発火に関与した可能性を示唆したり、設備の撤去または保管を要請したりしていないという。

カリフォルニアでは、暴風の際に電力会社の設備が原因で発生した大規模な山火事が過去に何度も発生している。同州最大の電力会社PG&Eは、同社の送電線が原因とされる甚大な山火事の結果、2019年に破産を申請した。

カリフォルニア州ロサンゼルスで発生した山火事、一時は約18万人の住民が避難に追い込まれた

地元テレビ局は、山火事の1つが同局のアンテナが設置されている山頂近くまで迫っているため、放送が中断される可能性があると伝えた。住民の間には、空気が汚染されているとの懸念が広がっている。当局は、山火事の発生地域付近に住む人々に対し、灰やがれきで貯水池が汚染されたとして、飲料水は必ず一度沸騰させてから飲むよう警告した。

全米フットボールリーグ(NFL)は、13日にロサンゼルスで予定されていたロサンゼルス・ラムズとミネソタ・バイキングスの試合を、公共の安全を考慮してアリゾナ州で行うと発表した。プロバスケットボールとホッケーの試合も、今週は延期された。

原題:Los Angeles Gains Ground on Fires as Finger-Pointing Begins、California Bans Insurance Cancellation in LA Fire-Affected Areas、California Bans Insurance Cancellation in LA Fire-Affected Areas(抜粋)

(当局者の情報などを追加して更新します)

--取材協力:Mary Hui.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.