(ブルームバーグ):昨年12月の米雇用統計では、雇用者数が3月以来の大幅増加となり、失業率は予想外に前月から低下した。利下げ休止の論拠を裏付ける内容となった。米国債は全年限で利回りが上昇。30年債利回りは2023年11月以降で初めて5%台を付けた。
同統計に関する市場関係者の見方は以下の通り。
◎モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのエレン・ゼントナー氏:
驚くほど強い内容であり、米金融当局のタカ派姿勢を弱めることはないだろう。今後の注目は来週発表のインフレ指標に集まるが、そこで下振れサプライズがあったとしても、金融当局を急いで利下げに動かすほどの材料とはならないだろう。
◎ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのリンゼー・ロスナー氏:
1月の利下げは消えた。米国の労働市場は、力強い雇用成長と失業率低下によって2024年を堅調に終えた。今回の雇用統計が強かったことで、1月の25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利下げの可能性は完全に排除された。焦点は3月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合に移り、追加利下げはインフレ状況次第になる。
◎プリンシパル・アセット・マネジメントのシーマ・シャー氏:
米金融当局にとって1月の金利据え置きは全く問題ないが、3月に利下げを実施するには、今後発表されるインフレ率の大幅な下振れや雇用統計の反転が必要になるだろう。世界債券市場にとっては、好調な米雇用統計がさらなる問題となる。利回りはまだピークに達しておらず、英国などの市場には、耐えがたいストレスがさらに加わることを示唆している。
◎グラナイト・ベイ・ウェルス・マネジメントのポール・スタンリー氏:
労働市場とインフレが現在の水準、ないしその付近で安定した状態が続けば、今年の利下げは2回にとどまると予想される。経済成長が加速し、政府支出は拡大するとの見方から債券利回りは上昇している。FOMCは金利抑制のため今年もなお数回の利下げを検討する可能性があるが、債券利回りをコントロールすることはできないだろう。
◎eToro(イートロ)のブレット・ケンウェル氏:
市場は今回の雇用統計を好まないかもしれないが、強い労働市場よりずっと悪いことはある。消費者が米経済の活力源であり、雇用の確保は個人消費と信頼感にとって極めて重要であることを忘れてはならない。労働市場の基盤がしっかりしていなければ全体が崩壊してしまう。投資家はそのことを肝に銘じておく必要がある。たとえそれが、利下げ期待の一歩後退を意味するとしてもだ。
◎ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズのララ・キャッスルトン氏:
今年最初の大きな経済指標は、労働市場が依然として堅調で、米経済が底堅いことを裏付け、米経済だけが例外的に強いとの見方を後押しする内容になった。しかし、米市場では良いニュースが再び悪いニュースになり始めている。株式市場で買いの裾野が大型テクノロジー銘柄から広がることを期待する投資家にとっては、今回の統計は好ましいものではない。
◎シット・インベストメント・アソシエーツのブライス・ドティ氏:
債券投資家は雇用統計の発表前から神経質になっていた。今回の統計は利回りの上昇継続に拍車を掛けることになり、追加利下げをさらに後ずれさせるだろう。次の利下げは4-6月(第2四半期)までないかもしれない。
◎チャールズ・シュワブUKのリチャード・フリン氏:
活発な雇用創出と低い失業率は、健全な経済を示すことが多い。当然ながら楽観的な見通しにつながるが、追加利下げを期待する投資家にとっては、やや失望を誘う可能性もある。
原題:Stocks Hit as Big Jobs Surprise Boosts Bond Yields: Markets Wrap(抜粋)
(市場関係者のコメントを追加します)
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