(ブルームバーグ):年末年始(12月30日-2025年1月10日)の債券市場では、長期金利の低下(債券価格の上昇)が予想される。日本銀行による1月の利上げ観測が後退する中、年明けの10年と30年の国債入札には一定の需要が集まるとみられており、債券買いにつながる。米国の金利上昇への警戒はくすぶるものの、現状のレンジから大きくは外れないとの見方が優勢だ。
市場参加者の見方
◎三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジスト
- 休暇中に外部環境がよほどの逆風とならない限り、新年の国債入札は無難にこなせる
- 日銀が指摘する春闘のモメンタムと米トランプ次期政権の政策を巡る不透明感は、年末年始に一気に払しょくされることはなく、1月利上げ観測が再燃する公算は小さい
- 米長期金利の上昇圧力は気になるが、利下げ見送りは既にある程度織り込まれてきた。日本国債は30年債の発行が減額方向で需給は悪くない
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.03-1.11%
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
- 日銀の利上げは1月に見送られても3月の観測が残る上、10年債と30年債の入札が続くため、相場の上値は重そうだ
- 米利下げペース減速やトランプ新政権の政策を考えると米長期金利は下がりにくく、むしろ上振れ懸念が残る
- とはいえ、雇用統計を控えて米金利がレンジを上抜けることは考えづらく、国内長期金利も節目の1.1%が買いの水準として意識される。追加利上げもある程度は織り込まれているため、入札は無難に消化されるだろう
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.05-1.12%
国債入札
主な材料
- 3日:12月の米供給管理協会(ISM)製造業景況指数
- 7日:経団連など経済3団体が新年祝賀パーティー、各団体トップが会見
- 7日:11月の米求人件数、12月の米ISM非製造業総合景況指数
- 8日:米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月17、18日開催分)
- 9日:日銀支店長会議と地域経済報告(さくらリポート)公表、11月の毎月勤労統計
- 10日:12月の米雇用統計、1月の米ミシガン大学消費者マインド指数
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