(ブルームバーグ):中国の上海と北京、そして香港に向かう国際航空便の運航が2025年に急増し、新型コロナ禍前の水準をほぼ回復する見通しだ。
その他の地域では状況が異なる。生活費の高騰やサプライチェーンの損傷、地域紛争が航空業界を圧迫しており、減便となる路線もありそうだ。
データ会社シリウムがまとめた航空会社のスケジュールによると、香港のキャセイパシフィック航空が運航する上海便は、来年11月までの1年間で48%増え4000便を超える見込み。
中国国際航空や中国南方航空、海南航空ホールディングなどの航空会社は、北京に向かう国際線で合わせて数百便増やすもようだ。
中国を訪れる外国人観光客はなお低迷しており、追加される国際便の多くは中国の航空会社が運航。コロナ禍後の国内旅行ブームに続き、海外旅行を楽しむ中国国民も増えている。
一方、ロンドンやアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ、カタールのドーハなどのハブ(国際拠点)空港への国際便運航は来年、低迷するか減少に転じると予想される。
ニューヨークでは、来年11月までの1年間で、コロナ禍で世界的に旅行需要が消失した20年以来で初めて、国外からの到着便数が減少しそうだ。
国際航空運送協会(IATA)の最新見通しによれば、来年の旅客需要はアジア太平洋地域が最も強くなる。欧米よりもコロナ禍から立ち直るのが遅かったこの地域の需要は、低めの水準から回復する。
アジア太平洋航空協会(AAPA)のスバス・メノン事務局長は「非常に相違の大きい市場だが、中国の回復に関する限り、なお伸びが見られる。業界に影響を及ぼしているサプライチェーンの問題が懸念材料だ」と指摘した。
多くの航空会社、特に米国勢の運航拡大は、航空機メーカーの米ボーイングを巡るトラブルやコロナ禍後のエンジンなど重要部品の供給不足により、限定的な状況が続いており、航空各社はこれらの問題が25年より後も制約要因になると想定している。
米国は先月、中国への渡航に関する警告を緩和した。これも中国にとって有利に働く。旅行業界のデータを収集するOAGによると、上海浦東国際空港は世界で最もハイペースで成長した空港となった。
問題はあるものの、25年には過去最高の52億人が空を旅し、航空業界の売上高が初めて1兆ドル(約158兆円)を突破するとIATAは予測している。
原題:Where You’ll Fly in 2025: More to Shanghai and Less to New York(抜粋)
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