コーヒー価格の高騰が続いており、世界中でコーヒー豆の売買や出荷を手がける業者にとってこれはさらなるリスクを意味する。これら業者は価格変動リスクをヘッジし、不安定な値動きによる資金繰り悪化を回避か先送りする代替策に目を向けている。

アラビカ種の先物相場は今年に入りニューヨーク市場で約70%上昇し、ここ40年余りの高値を更新した。大きな値動きが連日のように続いている。

価格があまりにも急に高くなり過ぎると、トレーダーのポジションを管理する取引所やブローカーから、採算の合わなくなった先物の売りヘッジを維持するために担保ないし証拠金の積み増しを要求される。何百万袋ものコーヒーが倉庫にあるか輸送中の場合、価格が大きく変動すると数十億ドルもの追加証拠金が必要になる可能性がある。

船上の貨物や最終購入者からの最終支払いを待っているトレーダーにとって、マージンコール(追加証拠金請求、追い証)は現金ポジションの急減につながりかねない。追い証を回避するため、あるいは価格変動の影響を緩和するために、流動性スワップやレポ取引といったオプションや取引所以外のソリューションを活用するトレーダーが増えているという。

こうした動きから、多額の追い証に対する備えのない小規模なプレーヤーが大半を占める市場で、流動性圧力がいかに高まっているかがうかがえる。それが取引所における流動性の低下と、価格のさらなる乱高下をもたらしている。同様の問題はココアの取引にも見られている。

英国に本拠を置くコーヒー取引業者オリジン・コモディティーズなどでディレクターを務めるキット・ガリバー氏は、「このような状況への対処法を変える必要がある。これまでと同じやり方のままなら、資金が流出する一方だ」と述べた。

原題:Coffee’s Rally Forces Traders to Seek Alternative Hedging Plans(抜粋)

--取材協力:Dayanne Sousa、Isis Almeida、David Marino.

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