インドの貿易赤字は11月に過去最大を記録した。特に金の取引量が増えたことで輸入が膨らんだ。

16日発表の商工省のデータによると、11月の貿易収支は378億ドル(約5兆8200億円)の赤字となった。赤字額はブルームバーグ集計のエコノミスト予想である230億ドルを大幅に上回った。10月の貿易赤字は271億ドルだった。

貿易赤字の拡大は、同国の経常収支と通貨ルピーに圧力をかける可能性がある。ルピーは先月、対ドルで0.5%下落し、月間ベースで3月以来の大幅安となった。16日の終値は0.1%安の1ドル=84.8712ルピーと過去最安値となった。債券相場はほぼ横ばい。

11月の輸入額は前年同月比27%増の699億5000万ドル、輸出額は4.9%減の321億1000万ドルだった。

インド経済が世界経済よりもはるかに速いペースで成長しているため、輸入需要は「当然ながら」高くなっていると、スニル・バースワル商工省商務局次官は記者団に語った。

政府が7月に関税率を15%から6%に引き下げたことで金の需要は増加。11月の金輸入額は過去最高の148億ドルに達した。地政学的な緊張の高まりで投資家は安全資産に向かっており、金にも目を向けていると政府は発表資料で指摘した。

原題:India’s Trade Deficit Widens to Record as Gold Demand Soars (2)(抜粋)

--取材協力:Malavika Kaur Makol、Anup Roy.

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