(ブルームバーグ):デンマークの製薬会社ノボ・ノルディスクの糖尿病治療薬「オゼンピック」が、まれな視力喪失を高めるリスクとの関連性があることがわかった。今年発表されたハーバード大学付属眼科専門院の分析結果を裏付ける研究で、明らかになった。
デンマークとノルウェーの患者記録を長年調査した研究チームによると、オゼンピックを服用した糖尿病患者は、別の種類の糖尿病治療薬を使用した患者よりも、非動脈性前部虚血性視神経症(NAION)と呼ばれるまれな症状と診断される可能性が2倍以上高かった。この研究では、オゼンピックの姉妹薬である肥満症治療薬「ウゴービ」を服用している人々にも同様の影響があるかは、判断できなかった。
研究結果は11日、外部の科学者による査読を受ける前の研究を掲載するウェブサイト、medRxivに掲載された。
NAIONは血流の損失により視神経が損傷することで起こり、50歳以上の人が最もかかりやすい。糖尿病や心臓病、睡眠時無呼吸症候群などが、発症リスクを高める可能性がある。この研究では、全体的な発症率は非常に低く、オゼンピックを服用した患者と他の糖尿病治療薬を服用した患者を比較すると、追加症例は患者1万人あたり1.4例にとどまった。
ノボ・ノルディスクの株価は13日のコペンハーゲン市場で一時5.4%下落し、約1カ月で最大の下落となった。同社の株価は今年に入って約8%上昇しており、欧州の製薬会社株価に連動するブルームバーグ指数の約4%増を上回っている。
原題:Ozempic Link to Rare Vision Loss Risk Confirmed in Study (1)(抜粋)
--取材協力:Robert Langreth.
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