(ブルームバーグ):米アルファベット傘下グーグルのトップロビイスト、マーク・イサコウィッツ氏が退社する運びとなった。トランプ新政権発足が迫る中で最も著名な共和党系経営幹部の1人が社を去ることとなった。
ブルームバーグ・ニュースが入手した電子メールによると、イサコウィッツ氏はグーグル社員に対して「重要な時期に政府で役割を果たす貴重な機会を与えられた」と説明した。今年のペンシルベニア州上院選で当選したデイブ・マコーミック氏のオフィスによれば、イサコウィッツ氏はマコーミック氏の首席補佐官に就任する予定。
イサコウィッツ氏の首席補佐官就任についてはニュースサイトのアクシオスが先に伝えていた。
イサコウィッツ氏は、グーグルのロビイストであるクリス・ターナー、アン・ウォール氏が「円滑な移行を確実に進め、2025年に導く」だろうと電子メールで説明した。同社は後任探しを行う予定だ。
トランプ次期大統領がテクノロジー企業の取り締まりに意欲を示す中で、グーグルのロビー活動チームのトップに力の空白が生じることになった。トランプ氏は今月、司法省の反トラスト(独占禁止)部門のトップにゲイル・スレイター氏を指名した。同氏はテック業界の批判者として知られ、グーグルの競合企業であるFOXとロクの元ロビイスト。
トランプ氏はスレイター氏を指名した際、「ビッグテックは長年暴走し、最も革新的な分野での競争を阻害してきた。そして周知の通り、その市場の力を利用してリトルテックだけでなく、多くの米国人の権利を侵害してきた!」と述べた。
イサコウィッツ氏は2019年にロブ・ポートマン共和党上院議員(当時)の首席補佐官を退き、グーグルの政策部門のトップに就任。司法省による2件の独占禁止法違反訴訟や多くの議会公聴会、子供への影響やオンライン上の言論を巡る監視の目、保守派からの政治的偏向の非難に直面する状況で、一段と敵対姿勢を強めるホワイトハウスや議会と対峙(たいじ)しつつ、グーグルを導いてきた。
22年にはロビー活動を強力に展開し、グーグルなどを狙い撃ちにする反トラスト法の制定を阻止することに成功した。
米連邦地裁判事は今年8月、グーグルがオンライン検索サービスと検索テキスト広告市場で反トラスト法に違反したとの判断を示した。米司法省はこれを受け、グーグルの独占解消に向け、インターネット閲覧ソフト「クローム」の売却命令などを求める是正案を11月に裁判所に提出した。
原題:Google’s Top Lobbyist Departs Amid Continued Regulatory Scrutiny(抜粋)
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