(ブルームバーグ):米サンフランシスコは、都市モビリティーの未来への備えが最も進んでいる都市という新たな称号を得た。
米コンサルティング会社傘下のオリバー・ワイマン・フォーラムとカリフォルニア大学バークレー校がまとめた世界70都市のランキングで、サンフランシスコがトップとなった。自家用車への依存度が高いものの、電気自動車(EV)や他の革新的な技術イノベーションの導入が進んでいる点が評価された。
このランキングは、都市内や周辺の人口密集地への人や物の移動がどれだけスムーズかを分析した「アーバン・モビリティー・レディーネス指数」に基づく。ウォーカビリティー(歩きやすさ)や大気質、ゼロエミッションバスの利用など数十の要素が考慮されている。
上位5位にはパリとミュンヘン、アムステルダムもランクイン。これらの都市は、強靱(きょうじん)な公共交通システムと、民間セクターと効果的に協力する優れた大学を備えている。
3位のシンガポールは、EVの早期導入に関する税優遇措置を2025年まで延長した。道路の安全性で世界トップクラスの同国では、道路での交通事故による死者数も交通量も少ない。

モビリティーの持続可能性に関するサブ指数ではヘルシンキがトップとなり、欧州の気候変動対策が成果を上げていることが示された。このカテゴリーでトップ10入りした都市のうち、欧州以外は香港だけだった。一方、公共交通機関ではシンガポールが首位、東京は10位となった。

各都市のスコアは、毎年決定される71の異なる評価基準に基づき算出される。今年は、人工知能(AI)や航空技術の利用といったテクノロジーの革新が、分析を開始した19年よりも都市のモビリティーに大きな影響を与えていることがリサーチャーの間で注目された。
カリフォルニア大バークレー校の電気工学・コンピューターサイエンス教授兼アソシエートプロボスト、アレクサンドル・バイエン氏は「都市環境で運用される自動運転車の台数が増加しているほか、より長期的な時間軸で電動垂直離着陸機(eVTOL)が新たなモビリティーパラダイムとして台頭していることを踏まえ、今年はテクノロジーに一段と大きな比重を置くことが極めて重要だと感じている」と指摘した。
原題:San Francisco, Paris Named Best Cities for Urban Transportation(抜粋)
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