(ブルームバーグ):米共和党のジョンソン下院議長は10日、オンライン上での搾取やいじめから子供を守ることを目的とした「子供オンライン安全法案」が現行の議会で可決される可能性は低いとの見解を示唆した。
ジョンソン氏は記者会見で、一部の議員が言論の自由を巡り引き続き懸念を示しており、この法案が検閲につながる恐れがあると指摘しているとし、さらなる修正が必要となる可能性があると示唆した。
ジョンソン氏は同法案について、「今年中に可決しなかったとしても、共和党が多数派を占める中で来年初めには可能だと非常に楽観視している」と述べた。連邦議会選を受けた新議会は1月3日が開会日。

この法案の支持者の中には共和党指導部が大手テクノロジー企業からの批判に屈したと厳しい見方をする向きもおり、下院共和党内部ではソーシャルメディアの規制を巡り対立が生じている。
米紙ワシントン・ポストの10日の報道によると、超党派の上院議員グループがイーロン・マスク氏を巻き込み、ジョンソン議長ら下院共和党指導部に法案の審議を進めるよう圧力をかけているという。
上院は7月に同法案を賛成91、反対3で可決。バイデン大統領は法案が議会を通過すれば署名し成立させる意向を示してきた。一方、下院共和党指導部は、この法案により子供が一部の保守的なオンラインコンテンツにアクセスしにくくなる可能性があると懸念を示している。
アマゾン・ドット・コムやアルファベット傘下のグーグル、メタ・プラットフォームズなど大手テクノロジー企業がロビー活動や政治的影響力を行使する一方で、オンライン上の活動に関連した事件で子供を亡くした親らは自身らの悲痛な体験を語り、法律の制定に向けて熱心なロビー活動を行っている。
原題:House Speaker Signals Delaying Action on Kids Online Safety Act(抜粋)
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