（ブルームバーグ）：米ニューヨーク市マンハッタンで、セントラルパークを一望できる５つ星ホテル「ザ・ピエール」が売りに出されている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

詳細の非公開を理由に匿名を条件に語った関係者によると、売却の対象となるのは、189室の客室と小売りスペースおよび複数の飲食店。61丁目と五番街が交わる角にあるこの物件には、約80戸の集合住宅「コープ」も含まれるが、これらは売却対象にならない。

関係者によると、取引は完了しておらず、売却の構造も決定されていない。同ホテルを所有する理事会がコープの株式保有者の代表を務めており、売却の場合に利益を受けることになる。

同ホテルは1930年に開業し、2007年からタージ・ホテルズが運営。タージの広報担当者はコメント要請にすぐに応じていない。ザ・ピエールのコープの理事会メンバー１人はコメントを控えた。

関係者によると、証券会社ニューマーク・グループの資本市場担当の共同会長を務めるダグラス・ハーモン氏が売却手続きを担当。同氏はいかなる取引の可能性についてもコメントを控えた上で、「特にブランド面の機会を提供する主要都市の高級ホテルは、希少価値がある人気物件だ」と述べた。

投資家は米国の大型ホテルの買収機会を狙っている。10月には投資グループのルーベン・ブラザーズがフロリダ州の高級リゾート「Ｗサウスビーチ」を買収。評価額４億ドル（約605億円）余りの取引となった。

また、ここ数か月には、米オラクルの共同創業者ラリー・エリソン氏が高級ホテル「オー・パームビーチ・リゾート＆スパ」を購入した。また、投資会社アレス・マネジメントの合弁会社は「ハイアット・リージェンシー・オーランド」を買収。評価額10億ドルの取引だった。

原題：NYC’s Five-Star Pierre Hotel Near Central Park Is on the Market（抜粋）

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