記事のポイント
・ChatGPTでAI植田総裁を作成して質問してみた
・AI植田総裁は、これまでの利上げは一定の効果がみられているが満足していないと回答
・AI日銀政策委員は25年の利上げについて、「建前」では今後のデータ次第と、「本音」は利上げの可能性が高いとの回答がほとんど

ChatGPTでAI植田総裁を作成して質問してみた

前回10月の日銀決定会合後の記者会見で植田総裁は「今後、毎回の決定会合において、その時点で利用可能な各種のデータ、情報から、経済・物価の現状評価や見通しをアップデートしながら政策判断を行っていく方針です」(日銀会見録)と述べており、ある程度フリーハンドを確保したい姿勢を示していた。

もっとも、11月1日のレポートで筆者は、記者会見での植田総裁の長期金利に関する説明から植田総裁は本音ではあまりアグレッシブな金融政策の正常化はできないと思っている可能性が高いと指摘した。

中銀総裁は言質を取られないように発言に細心の注意を払うため、個別の発言内容を組み合わせれば明らかであっても、直接的に述べなかったりすることがある。

そのため、ロジックを立てて本音を予想する日銀ウォッチャーやFedウォッチャーといった「仕事」が世の中には存在する。そして、往々にして中銀総裁の本音は最後まで分からないことが多い。

日銀ウォッチャーには「本音を聞いてみたい」という欲望がある。この欲望に応えるため、ちょうど1年前に筆者らはChatGPTを用いて「AI植田総裁」を作成した。具体的には、過去の講演テキストをChatGPTに読み込ませ、植田総裁の考えを理解した「AI植田総裁」を作成し、質問をする。

むろん、講演は本音と建前が入り混じったものであると考えられ、「AI植田総裁」が本音を語ってくれる保証はない。だが、想定していない回答が得られる可能性もあるので、今回もいろいろと聞いてみた。

図表1:「AI植田総裁」作成のイメージ 出所:大和証券