6日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=150円ちょうど付近で推移。米国の雇用統計発表を前に積極的な取引が手控えられ、方向感に乏しい。金融機関が外為取引の基準レートとする公示仲値の設定にかけドルが買われる場面もあったが、日本銀行の中村豊明審議委員の発言を受けた12月利上げ期待の回復が円を支えている。

大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、ドル・円は一目均衡表の雲の上限付近で「ここを割り込むかどうかの正念場だ」と言う。米雇用統計後の相場の反応が警戒される中、「12月に米利下げの見方が強まった上で日銀利上げの思惑が台頭すれば、結構な幅で円高に振れるリスクはある」との見方を示した。

朝方発表された10月の毎月勤労統計は、共通事業所ベースの所定内給与(一般労働者)が前年同月比2.8%増と高い伸びを維持したが、相場の反応は限られた。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、日銀の12月の利上げ織り込みが一時の3割台から上昇している。

りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは「日銀の12月会合はライブで、引き続き市場の思惑が交錯して相場は上下しそうだ」と予測。米雇用統計を見極める必要はあるものの、「米国は利下げ、日銀は利上げに踏み切る可能性が高く、ドル安・円高方向に動きやすい」とみている。

 

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