(ブルームバーグ):医療サービスを手掛ける米ユナイテッドヘルス・グループの幹部、ブライアン・トンプソン氏の射殺現場から回収された薬きょうと実弾に、「delay(遅延)」および「depose(追放)」の文字が記されていたことが、事情に詳しい複数の関係者の話で分かった。
同氏は4日早朝、ニューヨーク市マンハッタンのホテル「ニューヨーク・ヒルトン・ミッドタウン」の外で撃たれた。
これらの文字は、保険会社が保険金請求を拒否するために使うとされる手口を表現した書籍のタイトル『Delay, Deny, Defend(遅延、拒否、防御)』に似ている。警察当局はこれが保険会社に対する怒りといった動機を示唆するのか、調べる可能性がある。
元ニューヨーク市警当局者のジョセフ・ジアカローン氏は「極めて異例だ」と指摘。「私は長きにわたって捜査に携わってきたが、こんなことは見たことがない」と話した。同氏は現在、ニューヨーク市立大学の一部であるジョン・ジェイ・カレッジ・オブ・クリミナルジャスティスの教授を務める。
容疑者の捜索は2日目に入った。ニューヨーク市警は5日、容疑者の一連の写真を公開し、この人物の特定に協力するよう訴えた。情報提供者には1万ドル(約150万円)を支払うとしている。
原題:Bullets Used in Insurance CEO Killing Inscribed With ‘Delay’ (1)(抜粋)
--取材協力:Nacha Cattan、Madison Muller.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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