(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)は経済活動を制限しない水準まで徐々に金利を引き下げることができるが、同水準以下に引き下げる「行き過ぎ」は避けるべきだとの考えを、政策委員会メンバーのナーゲル・ドイツ連邦銀行総裁が示した。
ユーロ圏の消費者物価上昇率はほぼ予測に沿って鈍化しているため、「金利はゆっくりと、かつ慎重に中立金利に向かって収束していくべきでだ」4日ルクセンブルクで述べた。「あまり急ぐ必要はない」と付け加えた。
欧州安定メカニズム(ESM)のイベントで講演したナーゲル氏は「現時点では、インフレ率が予想を下回りECBが近い将来に拡張的な政策を取ることが妥当になる大きなリスクは見られない」とも述べた。
ECBは来週、年内最後の政策決定会合で0.25ポイントの追加利下げを行うと広く予想されているが、インフレ率が2%の目標に近づき経済が低迷していることから、一部の投資家はより大幅な利下げを期待している。
ナーゲル氏と同じイベントで講演したルクセンブルク中銀のライネシュ総裁は、成長とインフレに関する新しいスタッフ予測に大きなマイナス要因となるようなサプライズがなければ、「来週に25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の追加利下げが実施される可能性は十分にある」と述べた。
ユーロ圏のディスインフレは順調に進んでおり、2%の目標は来年には持続的に達成される可能性が高いとし、この基本シナリオが維持されれば、「2025年のさらなる段階的な利下げは適切だと思われる」と述べた。
ラトビア中銀カザークス総裁も「私の見解では、金利引き下げは継続すべきであり、次の利下げは12月に行われるべきだ」とIRとのインタビューで語っている。
原題:ECB Shouldn’t Cut Interest Rates Below Neutral, Nagel Says (2)(抜粋)
--取材協力:Aaron Eglitis.
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