(ブルームバーグ):12月第1週(2-6日)の債券市場では長期金利の低下(債券価格は上昇)が予想されている。米国で12月利下げを織り込む展開となり、米金利低下が国内債相場に波及するとの見方が出ている。日本銀行の中村豊明審議委員が講演でハト派的な発言をするとの観測も相場を支えそうだ。
◎三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジスト
- 長期金利はやや低下すると予想。米国でパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長をはじめ要人発言が多く、12月利下げを織り込ませる展開になるとみられ、米金利が下がれば円債は買いやすくなる
- 日銀の中村委員の講演が注目。企業の稼ぐ力が大事と言い続けており、今回の製造業中心にやや弱めの決算を踏まえて一段とハト派色を出す可能性があり、金利低下要因となりそうだ
- 財政は国会での議論が本格化するが、国民民主党の意向を気にしながらとなり、不安は残る。10年債や30年債の入札への警戒感がある分、金利低下は小幅にとどまりそうだ
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.02-1.08%
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
- 市場はすでに0.25ポイントの追加利上げをある程度織り込んでおり、急速な利回り上昇も見込みづらいが、投資家は慎重姿勢を維持しており、積極的に上値を買い進む動きは限られる
- 来年の米利下げペースは鈍化するとみられているが、利下げは続く見通しで米国債利回りの大幅な上昇は見込みづらい
- 10年債、30年債の入札は投資家の押し目買いに支えられ、無難に消化されそう。ただ、投資家は上値追いには慎重であり、国債入札は相場の上値を抑える要因になるだろう
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.04-1.10%
国債入札
主な材料
- 2日:7-9月期の法人企業統計調査
- 2日:日銀債券市場サーベイ(11月調査)
- 4日:パウエルFRB議長が討論会で発言
- 5日:中村日銀審議委員の講演・記者会見
- 6日:10月の毎月勤労統計
- 6日:11月の米雇用統計
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