(ブルームバーグ):米政府が中国の渡航警戒レベルを引き下げ、世界の2大経済国間で人の交流を阻んできた障害は取り除かれたが、トランプ次期政権がスタートすればこれが見直される可能性は高い。
米政府は27日に中国への渡航に関する勧告をレベル3の「渡航再考」から、レベル2の「注意強化」に引き下げた。中国渡航は米国人にとって、フランスやドイツ、インドへの旅と同等の危険度ということになる。
在中国の米商工会議所はこれを「素晴らしい展開だ」と称賛。緊張緩和につながると同時に、米国から中国への旅行が増えるきっかけになるとの見方を示した。
同じタイミングで米中が囚人を交換し、米国人3人が解放されたとのニュースも伝わった。しかし渡航警告の緩和が実際に及ぼす影響は極めて小さく、短命に終わる可能性がある。米国着の航空便に対する制限は維持されており、トランプ次期政権が両国の関係を再度悪化させる恐れもある。
「まったく変わらないのではないかと考えている」とブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、エリック・チュー氏は語る。「中国は日本と韓国の両国にビザ要件を緩和し、欧州諸国に対しても同様の措置をとった。しかし米国人はなおビザ取得を義務づけられている」と述べた。
中国外務省の毛寧報道官は「両国間で人の交流正常化につながると確信する」と北京で開いた定例記者会見でこれを評価。「われわれは関係を冷え込ませることに常に反対してきた。両国間の文化的交流、および人と人の交流が容易になるよう米国が行動することを望む」と述べた。
米国はこれまで、米国人が恣意(しい)的に拘束されている問題が解決されない限り、中国への渡航は高い警戒レベルを維持すると明確にしていたと、コンサルタント会社トリビアム・チャイナのジョー・メイザー氏は指摘する。
「最近の米中囚人交換と合わせて考えると、バイデン政権は中国側と、政権交代前の大掃除をしているような印象だ」とメイザー氏は話した。
在北京米大使館の報道官は、不法な身柄拘束のリスクに関連した文言が削除されたことに留意を促す。「不法に身柄を拘束され、今も拘束されている米国人はもはやいない」と同報道官はブルームバーグニュースに電子メールで述べた。
原題:US Declares China Travel Safer But Trump Era Brings Uncertainty(抜粋)
--取材協力:Danny Lee、Alisa Parenti、Philip Glamann.記事に関するブルームバーグ・ニュース・スタッフへの問い合わせ先:Beijing Colum Murphy cmurphy270@bloomberg.net記事についてのエディターへの問い合わせ先:Jenni Marsh jmarsh74@bloomberg.netPaul Abelsky
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