(ブルームバーグ):今年最も期待されていた映画の中の2作品「ウィキッド ふたりの魔女」と「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」の米国・カナダでのオープニング週末興行収入が合計1億7000万ドル(約262億円)に達した。映画館にとって好調なホリデーシーズンが期待される幕開けとなった。
ブロードウェイの人気ミュージカルを映画化したユニバーサル・ピクチャーズのウィキッドは興収1億1400万ドルと首位に輝いた。2000年の大ヒット作の続編であるパラマウント・グローバルのグラディエーターIIは同5600万ドルで2位だった。
ハリウッドの大作映画2作品の同時公開は、昨年の同時期に「バービー」と「オッペンハイマー」が多数の映画ファンを映画館に向かわせた週末をほうふつとさせる。当時のオープニング週末興行収入は合計2億4500万ドルだった。
23年にはバービーとオッペンハイマーを掛け合わせた「バーベンハイマー」という造語が生まれ、何万人もの仮装した映画ファンが意外な組み合わせの両作品を二本立てで鑑賞。今年も「グリックド」という造語がソーシャルメディアで話題となったが、昨年ほどの影響力はなかった。
ユニバーサルの米国内劇場配給プレジデント、ジム・オア氏はインタビューで、「ウィキッドに対する批評家スコアがあらゆる層で驚異的であることが本当に心強い。良好な興行収入が非常に長く続き、米感謝祭を含む四半期から率直にいって来年まで持続することを示している」と述べた。
オア氏によると、ウィキッドのチケットはソルトレークシティーなど家族向け作品が興行収入でしばしば成功を収める地域で特に多く売れたという。
ウィキッドは2部作構成の一作目で、二作目は2025年11月に公開される予定。ジョン・M・チュウ監督が手掛ける今作は、アリアナ・グランデとシンシア・エリヴォが演じる「オズの国」の若い魔女がそれぞれ「北の善い魔女」と「西の悪い魔女」になる物語だ。米映画批評サイト「ロッテン・トマト」では批評家から90%の高評価を得ており、映画業界メディアの米ボックスオフィス・プロのオープニング週末興収予想は約1億3000万ドルだった。
一方、グラディエーターIIは、古代ローマの腐敗を一掃するために戦う元奴隷の戦士をポール・メスカルが演じ、リドリー・スコット(86)監督が前作に続き指揮を執った。プロの批評家からは平均71%の評価を獲得。パラマウントの興収予想は6000万ドルだが、ボックスオフィス・プロは約7000万ドルだった。
日本ではグラディエーターIIが今月15日にすでに公開済み。ウィキッドは25年春に公開される。
原題:‘Wicked’ and ‘Gladiator II’ Open to $170 Million in Cinemas (1)(抜粋)
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