(ブルームバーグ):デンマークの製薬会社ノボ・ノルディスクは、中国で肥満症治療薬「ウゴービ」の販売を開始した。米国と比べ極めて安い価格で提供し、世界的に売れている同薬にとって、新たな急成長市場の開拓につなげたい考えだ。
中国の澎湃新聞によれば、上海の復旦大学附属中山医院で18日、40歳の男性患者に中国本土で初めてウゴービが処方された。
ウゴービはまた、複数の電子商取引プラットフォームを介して私立病院や診療所から入手可能となっている。
これら民間の医療サービスが提示する価格は投与量によって異なるが、中国メディアの第一財経やオンライン掲載された価格情報によると、最初の1カ月分(0.25ミリグラム)を購入する場合、1400元(約2万9800円)。米国での定価は1349ドル(約20万8000円)だ。
ノボはブルームバーグへの電子メールで、中国での販売価格を確認せず、ウゴービの正規販売が許可されていないオンライン薬局が価格を提示していると説明。
同社の広報担当者によれば、公立病院を介した提供価格は、登録などのプロセスを経て各地の調達システムで分かるようになるという。
米国や欧州では多くの患者が薬剤費用の少なくとも一部を保険会社などからの支払いで賄っている。だが、中国でウゴービは人口14億人の95%をカバーする公的保険制度の適用外で、ほとんどが自費での購入となる。
ノボのグローバル上級副社長兼中国担当社長のクリスティン・チョウ氏は第一財経に対し、同社は民間保険を含め、ウゴービをより手頃な価格で入手できる方法を探っていると述べた。
米イーライリリーも中国で糖尿病治療薬の承認を得ているほか、中国のバイオテクノロジー企業も競合薬の開発に取り組んでいる。ノボは混乱を避けるため、当初は中国でのウゴービ販売を限定するとしている。
原題:Novo Nordisk Launches Wegovy in China With Prices Below US (1)(抜粋)
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