(ブルームバーグ):来週の円相場は下落しそうだ。米国の金利上昇とドル高の流れが続きやすい。一方、日本銀行の植田和男総裁が18日の講演で12月の金融政策決定会合での利上げに向けて踏み込んだ発言をした場合、円が買い戻される可能性がある。
市場関係者の見方
関西みらい銀行の石田武ストラテジスト
- トランプ米次期政権のインフレ的な政策や米利下げ織り込みの低下に伴う金利上昇とドル高の流れはまだ続きそうだ
- 特に円を買い戻す要因がない中で、植田日銀総裁の講演が鍵になる。ここで12月か来年1月の追加利上げを明確に織り込ませないと、円安が止まらず160円を試すこともあり得る
オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクター
- 米国の12月利下げが見送られる可能性が意識され、ドルが一段高となりやすい
- もっとも、9月以降の日米長期金利差をもとにした適正価格からは円安方向に乖離(かいり)している
- 来年末までの米利下げ織り込みも既にいいところまで後退してきた
- 植田日銀総裁が講演で12月の追加利上げに向けて踏み込んだ発言を行う可能性があることも円を下支えしそうだ
来週の注目材料
- 18日:植田日銀総裁、名古屋市で金融経済懇談会と記者会見
- 21日:植田総裁、パリ・ユーロプラス・ファイナンシャル・フォーラムで講演
- 22日:10月の全国消費者物価指数
来週の主な予定
- 18日:米シカゴ連銀総裁が発言
- 19日:10月の米住宅着工件数
- 20日:10月の貿易収支、米20年国債入札
- 21日:20年国債入札、10月の米景気先行指標総合指数、10月の米中古住宅販売件数、11月の米フィラデルフィア連銀景況指数、米新規失業保険申請件数、米10年インフレ連動国債入札、米クリーブランド連銀総裁が発言
- 22日:11月の米購買担当者指数(PMI、製造業・サービス業・総合)
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