(ブルームバーグ):ヘッジファンド運用者マイケル・バーリ氏は、7-9月(第3四半期)にアリババグループを含む中国株への投資を拡大した。中国当局が景気刺激策を相次ぎ打ち出したことが背景にある。ただ、下落リスクをヘッジするため、新たなプットオプション(売る権利)も追加した。
バーリ氏はマイケル・ルイス氏のベストセラー「世紀の空売り」で取り上げられて一躍有名になった人物。14日提出された株式保有報告書(フォーム13)によると、同氏の投資会社サイオン・アセット・マネジメントは、7-9月にアリババ株の保有を約30%増やし、20万株にした。
同時に、同社はアリババ保有株の84%に相当する想定元本のプットオプションも購入した。これにより、アリババ株が下落した場合、利益確定もしくは損失限定のために同社株を売却することができる。
同社は百度(バイドゥ)とJDドットコム(京東)という他の中国2銘柄への投資についても同様の戦略を取っており、保有する中国株への慎重姿勢を示唆している。
JDドットコムについては、7-9月に保有を倍増した一方で、同銘柄のポジションに対する弱気な賭けも追加した。百度については、保有株を3分の2増やしたが、同時にエクスポージャーをヘッジした。
データによると、アリババを含むこれら中国3銘柄の価値は9月末時点で5400万ドル(約84億5000万円)と、バーリ氏の株式保有総額の約65%に相当する。
バーリ氏はアパルーサ・マネジメントのデービッド・テッパー氏と共に、9月下旬の中国の大規模な政策転換以前から、ヘッジファンド運用者では数少ない中国株強気派として知られている。
バーリ氏は1-3月(第1四半期)に中国株を買い増し、アリババの持ち株を2倍余りに増やした。4-6月(第2四半期)にはさらにこのポジションを拡大し、アリババは6月末時点で同社最大の保有銘柄となった。
原題:Michael Burry Boosts China Stakes But With Cautious Hedges(抜粋)
--取材協力:Matt Turner.
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