(ブルームバーグ):米FOXニュースは2020年の大統領選開票速報での苦い経験を繰り返さないよう取り組んでいる。同局のスタッフは当時、民主党候補だったバイデン現大統領のアリゾナ州での勝利を予想。同州の地図を民主党を示す青に早々と塗り替え、キャスターの準備が間に合わない事態となった。
その予想は正しかったものの、共和党のトランプ大統領(当時)を支持していた視聴者を怒らせ、多くの視聴者がライバルの保守系ネットワークにチャンネルを切り替えた。
FOXは今回、ニュースが発表された際に特定の州を「青」と判断した理由を視聴者に説明できるよう、キャスター陣に詳細を伝えるプロセスを導入した。
FOXの番組「アメリカズ・ニュースルーム」の共同司会者ビル・ヘマー氏は新しいタッチスクリーンと拡張現実(AR)、3Dグラフィックを用い、ディスプレーに表示される投票結果を説明する。
ヘマー氏はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、FOX本社内にある「デシジョンデスク」が投票データを分析していると明らかにし、「彼らは経験豊富で、通常は電子メールで通知してくれる」と述べた。
デシジョンデスクは「われわれが下す重要な決定や、放送で発表する内容を伝えてくれる。決定を下す準備ができているとわれわれ全員が認識していることを確認したい」と話した。
FOXニュースは20年の報道で、トランプ陣営が選挙不正を主張する場面を放送。これにより、投票システム会社の1社が起こした名誉棄損訴訟を決着させるため、親会社のフォックスが7億8750万ドル(約1200億円)を支払うことになった。
24年という選挙年において特別な注意を払っている放送局はFOXだけではない。他局も選挙報道の正確性を確保するための措置を講じている。
CBSニュースのファクトチェック部門CBSニュース・コンファームドは、偽情報に惑わされないよう投票日に情報の検証を続けるほか、結果と選挙の公正性を追跡する「データデスク」と「デモクラシーデスク」を置く。
NBCニュースの「投票ウオッチ」チームは、選挙のセキュリティーと投票に関する問題について報道する予定。同局は全米に記者を配置し、接戦が予想される地域の地元当局からデータを収集している。
NBCニュースは、開票のタイミングについてさまざまなシナリオを想定しているが、5日夜に正式な結果が発表される可能性は低いとみている。
ニュースネットワークにとってリハーサルは有益だが、時に問題を引き起こすこともある。ペンシルベニア州のABCニュース系列局は、10月に誤ってテストで選挙結果を放送したことで非難された。
大統領選は通常、ケーブルニュースネットワークの視聴率を押し上げる効果があり、CNNは主要な視聴者層における視聴者数で20年が「過去最高」だったと報告。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)によると、主なケーブルチャンネルでは、今年の選挙を前にすでに、22年の同じ期間と比較して視聴者数が2桁の伸びを示している。
しかし、テレビを視聴する人が減っているため、ニュースチャンネルでも開票速報の視聴者数が減少。ニールセンの視聴率調査によれば、20年選挙のプライムタイムの報道は、21のネットワーク全体で約5690万人が視聴したが、16年は約7100万人だった。
原題:Fox, Rivals Employ New Tools to Improve Election-Night Calls (1)
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