(ブルームバーグ):米実業家イーロン・マスク氏が提供した100万ドル(約1億5300万円)の懸賞金に応募した有権者が、当選者の選び方について誤解させられたと主張し、マスク氏と同氏のスーパーPAC(政治活動特別委員会)「アメリカPAC」を相手取り、テキサス州とミシガン州の連邦地裁で訴訟を起こした。
マスク氏のPACは、言論の自由と銃保有の権利を求める嘆願書に署名した人々に対し5日の投票日前まで毎日懸賞を行っていた。
この懸賞金を巡っては、ペンシルベニア州フィラデルフィア地区検察のラリー・クラズナー検事(民主)が違法な宝くじだとして差し止めを求めた訴訟を起こしていたが、判事は検察側の求めを4日に退けた。
アリゾナ州在住のジャクリーン・マカーファティ氏はテキサス州での訴訟で、当選者が「無作為」に選ばれてはおらず、100万ドルを手にできる見込みがないと知っていれば、アメリカPACの嘆願書に署名することも、個人識別情報を提出することもなかったと主張した。
実際には、当選者は無作為に選ばれたのではなく、トランプ前大統領を支持するアメリカPACを広報する一般人として慎重に選ばれていた。
テキサス州オースティンの裁判所に提出された集団訴訟の申し立てによれば、原告側はマスク氏と同PACがX(旧ツイッター)で言論の自由と銃保有の権利を求める嘆願書への署名を呼びかけ、100万ドルが「無作為」に当たるチャンスがあるとうたっていたのは、マカーファティ氏らを欺く行為だったと主張。
同氏は損害賠償を請求するとともに、個人情報の破棄をマスク氏とPACに命じるよう裁判所に訴えた。
ミシガン州の訴訟は、民主党候補であるハリス副大統領を支持する州民だと名乗るロバート・アンソニー・アルバレス氏が起こした。同氏は、言論の自由と銃の所持権を支持するために署名したと述べ、この懸賞が「党派に関係なく贈られる」と宣伝されていたため、100万ドルが当たるチャンスがあると思っていたと主張。
アルバレス氏は訴状で「100万ドルの懸賞金当選者について詳しく見てみると、明確なパターンが見える。選考は無作為に行われているのではなく、共和党員でなかったり、トランプ氏の熱心な支持者ではなかったりする人々を排除するような、対象を絞ったプロセスだということだ」と指摘した。
マスク氏の弁護士は、コメントの要請にすぐには応じなかった。
原題:Voters Sue Musk for Fraud Over $1 Million Election Sweepstakes(抜粋)
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