(ブルームバーグ):10月米雇用統計では、非農業部門雇用者数が2020年以来の低い伸びとなった。一方で失業率は前月から変わらず。複数の強力なハリケーンや大規模なストライキが統計に影響した。
◎シット・インベストメント・アソシエーツのブライス・ドティ氏:
今回の雇用統計は、先月の統計の熱気を削ぐものだ。しかし、リセッション(景気後退)の可能性はまだ低いため、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利下げ幅は25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)にとどまると予想している。
◎ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのマルチセクター投資責任者リンゼー・ロスナー氏:
この日のデータに示された弱さの一部を、FOMCは一度限りの要素のせいにするだろうが、それでもこの弱さは来週の会合で緩和サイクルが継続されることを裏付けた。嵐が吹き荒れた統計だったが、11月の25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利下げに向けた空模様は晴れてきた。
◎ロンバー・オディエ・インベストメント・マネジャーズのフロリアン・イエルポ氏:
米金融当局が焦点をインフレから労働市場に移していることを踏まえると、今回の雇用統計は次回会合で利下げを行う自信を当局に与えるだろう。
◎ベルウェザー・ウェルスのクラーク・ベリン氏:
10月の労働市場が9月から大幅に減速したことが示された。ただ、ハリケーンと労働争議というノイズの影響によるところが大きい。そのため、今回の弱い数字を理由にFOMCが11月会合で見込まれる25bp利下げから離れる公算は小さい。
◎プリンシパル・アセット・マネジメントのシーマ・シャー氏:
市場は10月の雇用統計を脇に置いてもよさそうだ。ハリケーンが雇用の数字に大きな打撃を与え、労働市場の力強さを曇らせたのはかなり明確だ。従って、米政策金利の道筋に影響することはないだろ。ここ数週間の経済活動データは意外なほど強かったものの、米金融当局は緩和サイクルを継続しなければならないことが再確認された。11月と12月に25bpの利下げが実施される可能性は高い。
◎LPLファイナンシャルのジェフリー・ローチ氏:
マクロ環境が弱まっていると投資家が考えているため、雇用統計の発表直後に債券利回りは急低下した。ハリケーンに関連したゆがみを考えると、データ依存に固執するFOMCは窮地に立たされている。政策決定者にとって事態をさらに複雑にしているのは、所得や支出、貯蓄率に関する最近のデータ修正だ。とはいえ、経済情勢が弱まっているため、FOMCは年内残り2回の会合で利下げを実施する可能性が高い。
◎ブラックロックのポートフォリオマネジャー、ジェフリー・ローゼンバーグ氏:
この数字には多くのノイズがある。前月の修正やストライキの影響、ハリケーンなどだ。労働市場は正常化しつつあり、依然として示唆されているのはソフトランディングだ。
◎チャールズ・シュワブUKのマネジングディレクター、リチャード・フリン氏:
経済活動は全体として健全なままだが、この日の統計は労働市場が過熱する危険性がないことを示している。金利は緩やかに引き下げられるかもしれないが、低下基調は続くはずだとの安心感を投資家に与えるだろう。
◎BMOキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、イアン・リンジェン氏:
最新の雇用統計は全体的に残念なものとなった。ノイズが多過ぎて、労働市場の状況を大ざっぱに把握し直すことができない。
原題:Bond Traders Reload Bets on Fed Cuts After Jobs: Markets Wrap(抜粋)
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