来週の円相場は荒い動きになりそうだ。米国の大統領選は共和党候補のトランプ前大統領と民主党候補のハリス副大統領が接戦となっている。ホワイトハウスと上下両院の主導権をすべて共和党が握る「レッド・スウィープ」となるか、政権と議会で「ねじれ」が起こるかなど、結果次第で相場が上下に振れる展開が予想される。

市場関係者の見方

あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト

  • 米大統領選を受けて大きく動く可能性がある。レッド・スウィープとなった場合はドル高・円安となり155円を試すだろう
  • もっとも、レッド・スウィープの可能性は7割程度織り込まれている。円安が進めば日本銀行の早期利上げ観測や通貨当局の円買い介入への警戒も高まるため、ドル高・円安の余地はそこまで大きくない
  • 「ねじれ」が発生した場合には150円程度まで、ハリス氏が勝利した場合は148円程度まで円が買われる可能性がある。勝敗が決するのに時間を要する場合も、先行き不透明感から円が買われやすくなる

ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミスト

  • ある程度織り込まれているとはいえ、レッド・スウィープとなれば米国のファンダメンタルズの底堅さとあわせて155円を試す公算が大きい
  • ハリス氏勝利の場合、148円までの円買いはあり得る。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)は12月会合で利下げを見送る選択肢も排除しないとみられ、ドルの下値は支えられやすい
  • リスクシナリオは米大統領選の結果を巡り社会不安が高まり、確定に時間がかかること。この場合、リスク回避的に円が買われる可能性を留意しておきたい

来週の注目材料

  • 5日:米大統領選挙・議会選挙の投開票
  • 6、7日:米FOMCおよびパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見

来週の主な予定

  • 4日:日本休場、中国全人代常務委員会(8日まで)、米3年国債入札
  • 5日:9月の米貿易収支、10月の米供給管理協会(ISM)非製造業総合景況指数、米10年国債入札
  • 6日:日銀金融政策決定会合議事要旨(9月19、20日開催分)、米30年国債入札
  • 7日:9月の毎月勤労統計、10年国債入札、米新規失業保険申請件数
  • 8日:11月の米ミシガン大学消費者マインド指数、ボウマンFRB理事が発言

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