(ブルームバーグ):米紙ワシントン・ポスト(WP)は、2024年とその後の米大統領選挙で特定の候補者への支持を表明しない方針を明らかにした。
WP紙の発行人兼最高経営責任者(CEO)、ウィリアム・ルイス氏は25日の発表資料で、同紙が「全ての米国民のための不偏不党のニュース」提供を目標とし、特定の「大統領候補を支持しないという原点に立ち返る」と述べた。同紙が大統領選候補への支持を表明し始めたのは1976年からだとルイス氏は付け加えた。
同氏は支持表明見送りについて、「さまざまに解釈されることは承知している。ある候補者に対する暗黙の支持、あるいは別の候補者に対する非難、あるいは責任放棄として受け止められる可能性もある。それは避けられない。だが、われわれはそのようには考えてはいない」と記した。
WP紙のスタッフが加盟する労働組合によると、アマゾン・ドット・コム創業者ジェフ・ベゾス氏が所有する同紙は、ハリス副大統領を支持する草稿を準備していた。これを「掲載しない決定は、オーナーによって下された」と労組は声明で明らかにした。
ベゾス氏の広報担当者はコメント要請にすぐには応じず、同紙の代表者は発行人の発表以上のことは言えないとしている。
ニクソン元大統領の辞任につながったウォーターゲート事件を暴いた同紙にとって、今回の方針転換は重大な意味を持つ。同紙は権力者に立ち向かってきた長い歴史を持ち、その過程でピュリツァー賞を70回以上受賞している。
同紙のマーティ・バロン前編集主幹は25日、X(旧ツイッター)への投稿で、支持表明見送りは「臆病な決定で、民主主義を犠牲にした」と批判。トランプ前大統領がこれをベゾス氏への「さらなる威嚇」の呼び水にするだろうと述べた。
米メディアの間では、選挙の候補者を支持しない傾向が強まっている。ロサンゼルス・タイムズ紙の論説委員長は今週、ハリス氏への支持表明を同紙オーナーが阻止したことを受け、辞任した。ニューヨーク・タイムズ紙は8月、州選挙への支持表明は終了するが、大統領候補者への支持は継続すると発表し、9月に論説委員会がハリス氏を支持した。
原題:Washington Post to No Longer Endorse Presidential Candidates (2)(抜粋)
--取材協力:Spencer Soper、Matt Day.
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2024 Bloomberg L.P.