(ブルームバーグ):米政府は、ロシアの軍事ブログ「ライバー(Rybar)」と活動に関与する人物の「身元や所在地の特定につながる」情報に対し、最大1000万ドル(約15億円)の報酬を提供する。「正義への報酬(RFJ)」ミッションのウェブサイトに掲載された声明で明らかにした。
ライバーは、ソーシャルメディア「テレグラム」に約130万人余りの加入者を持つチャンネルで、主にロシアによるウクライナ侵攻について情報発信をしている。RFJの声明によると、ライバーは「ロシアの軍事力を強化し、親ロシア派と反欧米派の主張を広める」ことを目的としている。
ライバーは当初、ロシアのプーチン大統領の盟友で後に反旗を翻した故エフゲニー・プリゴジン氏から支援を受けていたとされる。同ブログは、米国で「ロシア政府の政治的利益を推進」するため、ソーシャルメディア上で宣伝活動を行うチャンネル「#HOLDTHELINE」と「#STANDWTHTEXAS」も運営しているという。
ライバーは現在、2022年から米国の制裁対象となっているロシアの国営防衛関連企業ロステックから資金提供を受けている。
RFJの声明によると、ライバーは来月の米大統領選に先立ちX(旧ツイッター)に「TEXASvsUSA」チャンネルを開設。米国で「社会の分断を促し、党派間および人種的な不和をあおり、憎悪と暴力を助長する」ことを目指しているという。
ライバーのディレクター、ミハイル・ズビンチュク氏はRFJの発表を受けて動画を公開し、自身の活動が米大統領選に影響を与えるために利用されていることを否定したほか、モスクワの登録住所を明らかにした。ライバーは、住所に関する情報提供と引き換えに、米政府が直接送金またはライバーのウェブサイト上の寄付ボタン、暗号資産(仮想通貨)を通じて約束した報酬を支払うことを期待しているとした。
原題:US Offers $10 Million for Information On Russia War Blog Rybar(抜粋)
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