サッカーのイングランド・プレミアリーグは中国の首都、北京市に海外オフィスを開設した。重要な中国市場でイングランドサッカーの魅力の一段の向上を図る。

17日の発表によると、同リーグは中国サッカー協会(CFA)と協定を締結し、一流選手やコーチ、大会関係者の育成および主にジュニア世代を指導するグラスルーツコーチや審判向けのトレーニングで協力するという。

中国は長年、サッカー大国としての地位確立に努めてきた。国内リーグは巨額の契約金で世界中から有名選手を数人呼び込んだ一方、中国の投資家は中国政府が国外への資金流出阻止に動く前に欧州のサッカークラブ買収に殺到した。復星国際(フォーサン・インターナショナル)が所有するサッカークラブ「ウォルバーハンプトン・ワンダラーズ」は欧州に残る数少ない中国資本のクラブの一つだ。

プレミアリーグのリチャード・マスターズ最高経営責任者(CEO)は発表資料で、中国でのオフィス開設はリーグとクラブが「人気を高め、ファンやパートナーとの関係を強化する」ことに資すると述べた。

プレミアリーグはテレビ放映権から収益の大半を得ている。特に海外での契約によって活気づくが、2020年には中国でプレミアリーグ放映権を持っていた蘇寧控股集団(スニン・ホールディングス)傘下PPTVとの契約打ち切りにより打撃を受けた。

同リーグは19年にシンガポールに初の海外オフィスを開設。主に著作権侵害コンテンツへの対応と放送パートナーのサポートを目的としている。ニューヨークにもオフィスを構えている。

一方、英国内ではマスターズ氏が同リーグの強豪クラブ「マンチェスター・シティ」と財務規定違反を巡り対立。アブダビ王族が所有する同クラブは関連当事者取引(APT)に関する規則の公平性を巡り法廷で争っている。

原題:Premier League Opens Beijing Office to Boost Chinese Fanbase(抜粋)

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