早めの引き締めあれば…「相場の反転」の可能性も

今後大きな調整局面は来るのでしょうか。

宮嵜さんは「景気や物価、株価も想定以上に上振れてくると、政策対応もちょっと早めに引き締めなきゃとなるかもしれません。そうなると、今までの楽観的な見方が一転して、慎重論が出てきて、『山高ければ谷深し』ではないですが、過熱感があったものが、グッと冷え込んでくるという『相場の反転』も考えられます。警戒した方がいい時期が来るかもしれないです」と話します。

「日本の株高が、円安に繋がっているという指摘もあります」と別の観点から末廣さんは見ています。

円安になると輸出企業が儲かる→株高になるというのが通常ある話ですが、今回の指摘は、株高→円安という逆のサイクルです。

末廣さんは「なんでかというと、海外の投資家は円を買って株を買うけれど、為替のリスクを取りたくないので、円の一部を売っておくからです。そうすると株価が上がれば上がるほど、円売りのポジションが増えていき、円安になったという見方もあります」と解説します。

平成のバブル経済と異なる側面 市場は「まだ冷静」な段階

ただ、「株が上がるのはいいことだと基本的には見られているので、なかなか止める人はいないです」と末廣さん。同調するように宮嵜さんも「一時的な上昇だと最初は思っていても、株高が続いていくと、日本企業あるいは日本経済が強くなったのかもしれないと思い込んでしまって、リスクに意識が向かなくなってしまうことがあります」と述べます。

最後に平成のバブル景気と重なる部分がある株高なのかを聞いてみました。

宮嵜さんは「企業業績と株価の関係でいうと、平成のような浮かれっぷりにはまだなっていないです。まだ冷静で、業績見合いの株高と説明がつく段階です」と教えてくれました。

新しく投資を始めた人も古参の人も、目が離せない相場が続きそうです。

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記事構成:TBSテレビ デジタル編集部・影山遼(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)

(TBS NEWS DIGオリジナルコンテンツ「経済の話で困った時にみるやつ」より)