(ブルームバーグ):4日の債券相場は上昇。米国で求人件数が市場予想を下回ったことを受けて長期金利が低下、円債先物は夜間取引で買われた流れを継いで、買いが先行している。国内の賃金統計が予想を上回る伸びとなり、伸び悩む動きとなっている。
三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャーは毎月勤労統計について、「潜在的に利上げ観測が残る中で、債券相場では短期債から中期債、債券先物が伸び悩む要因になりやすい」と語った。
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債券相場について小口氏は、米雇用情勢への懸念による金利低下で「全体的にはしっかりしやすい」と指摘。30年国債入札は利回り低下で「水準面で買いづらくなってきた」と述べ、弱めの結果になるリスクを指摘した。もっとも世界的な金利低下の流れや潜在的な債券需要が相場を下支えしそうだと述べた。

きょうは日本銀行の高田創審議委員の講演も予定されている。高田審議委員の講演について、小口氏は「日銀正副総裁の発言の範囲内になるとみられるが、円安修正後の物価見通しや市場変動に対する見方に新しい情報を得られるか注目したい」と語った。
30年債入札
- 発行予定額は前回と同じ9000億程度
- 4日の発行日前(WI)取引は2.09%程度、表面利率は前回と同じ2.2%の見込み
- 東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジスト
- 前月に比べると利回り不足は否めないものの、長い目で見れば依然魅力的
- 備考:30年利付国債の過去の入札結果(表)
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