8月第1週(5-9日)の日本株は上昇の見通し。前の週の大幅安から相場が落ち着き、米国の経済指標や企業決算を横目に個別銘柄の選別が進みそう。

7月第5週は日本銀行が0.25%への利上げを決定し、円高を嫌気して日本株は大幅安。東証株価指数(TOPIX)は週間で6%安と2020年以来の下落率となった。これまで円安による業績押し上げ期待で上昇してきた輸送用機器や機械など輸出セクターや、金利上昇期待が高まっていた金融株を中心にほぼ全面安だった。

米国では5日に7月の供給管理協会(ISM)非製造業総合景況指数が発表される。市場予想は51.3と6月の48.8から好不況の基準値である50を回復する見込み。米国景気への先行きに懸念がある中、底堅い内容が確認されれば株式市場の追い風になる。

国内では8日に日銀が利上げを決定した7月の金融政策決定会合における「主な意見」を公表する。植田和男総裁が同会合後の会見で今後の利上げに前向きな姿勢を示し、日本株の売りにつながった。主な意見で市場のタカ派的な受け止めに修正がかかれば、相場を押し上げる可能性がある。

相場への寄与度が大きい大型銘柄の決算も控える。6日に三菱重工業、7日にソフトバンクグループが業績を開示する。

《市場関係者の見方》

インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジスト

米国の動きが日本株の方向を決定づけていくだろう。米国の実体経済を見る上では製造業ではなくサービス業の指数が重要で、ISM非製造業が想定を上回れば市場における景気減速への懸念が和らぎ、株価下げ止まりにつながる。一方で、下回ればセンチメントの悪化につながるだろう。

岡三証券の大下莉奈シニアストラテジスト

来週は落ち着きどころを探る展開となりそう。決算は着地自体はしっかりしており、相場全体が落ち着いてくれば、優良株を中心に買い戻しが膨らむ展開は想定できる。日銀の主な意見で利上げ決定までの道筋が明らかになれば、株式相場が動く可能性もある。一方で、国内外で寄与度の高い企業が決算を発表するため個別物色が強まりそう。

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