(ブルームバーグ):ソフトバンクグループの創業者で最高経営責任者(CEO)でもある孫正義氏の資産は、この2日間の同社株急落で25億ドル(約3730億円)減少した。ブルームバーグ・ビリオネア指数が示した。大方の予想より早期に実施された日本銀行の追加利上げに、テック投資家の孫氏も翻弄(ほんろう)されているようだ。
ソフトバンクGの株価は2日、8%安で終了。この2日間では14%下げた。7月31日の日銀追加利上げの影響が続いており、この日の東京株式市場は全面安となり、日経平均株価はブラックマンデー以来、約37年ぶりの下げ幅となった。

日本株の急激な調整で最も大きな打撃を受けている大物実業家の1人が孫氏だ。ソフトバンクGは、世界最大のテック投資企業の一つであり、年初から7月末まで株価は約46%上昇していた。同社は英半導体設計会社アーム・ホールディングスの株式の大半を保有しており、人工知能(AI)への関心の高まりから、アームの株価は今年急騰していた。だが、アームが通期業績予想の上方修正を見送ったことが投資家に失望され、同社の株価は8月1日に16%急落した。

ソフトバンクGの国際事業にとって、円高はリスク要因ともなる。日銀がタカ派的なシグナルを発したことを受け、1日の取引で円は対ドルで4カ月ぶりの高値を付けた。
孫氏(66)は、時価総額約780億ドルの巨大企業ソフトバンクGの筆頭株主だが、保有株式の多くは、各金融機関からの借り入れに対する担保となっている。
原題:SoftBank Plunge Wipes $2.5 Billion Off Masayoshi Son’s Fortune(抜粋)
(株価を更新します)
--取材協力:西沢加奈.
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2024 Bloomberg L.P.