任天堂が2日発表した4-6月期(第1四半期)の営業利益は前年同期比71%減の545億円で、ブルームバーグがまとめたアナリスト14人の予想平均937億円を下回った。マリオ映画やゼルダシリーズのソフトがヒットした前年同期の反動減などがあった。

発表によると、4-6月期の家庭用ゲーム機「スイッチ」ハードは、前年同期⽐46%減の210万台で、ソフトウエアも41%減の3064万本にとどまった。今期(2025年3月期)のスイッチ販売目標(ハード1350万台、ソフト1億6500万本)や営業利益4000億円の見通しは期初計画を据え置いた。

マリオ

4-6月期の売上高も同47%減の2466億円と、市場予想(3142億円)とのかい離が大きかった。研究開発費の増加や円安が響き、販売費及び一般管理費は2.4%増となり、利益を押し下げた。

米国モーニングスターの伊藤和典ディレクターは4-6月期の実績について、「強力なソフトがなかったのでハードの出荷水準については個人的には違和感がないが、市場は楽観すぎた」と分析。円安によリ販管費が前年同期比で増えたのはネガティブサプライズだとした。来週月曜日の株価は下がると思うが、長期的な見通しは変えていないため、「短期的な動きにとどまるとみている」と述べた。

人気作投入

今回は、家庭用ゲーム機「スイッチ」の後継機に関する発表を今期中に行うと明らかにしてから初めての決算となったことも重なり、厳しい結果となった。前年4-6月期には映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」や「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」のヒットで、営業利益が同期間として過去最高を更新していた。

スイッチは発売から8年目に入っておりライフサイクルの終盤に入っているが、古川俊太郎社長は2月時点で、今期はスイッチを主軸にビジネスを続けていくと表明。

9月以降、「ゼルダの伝説 知恵のかりもの」や「マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ!」などを発売する計画だ。人気シリーズの最新作を相次いで投入することで販売のてこ入れを狙う。

ゲームコンサルタント会社カンタンゲームスのセルカン・トト代表は今期のスイッチハード販売目標である1350万台について「どのように達成したいのか、本当に疑問だ」と言及。特に、ハードの値下げなしに目標を達成するつもりであれば「私はまだ懐疑的だ」と述べた。

(情報を追加して更新します)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.