30日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=154円ちょうどを挟んでもみ合い。31日に日本銀行の金融政策発表を控えて方向感が乏しい。追加利上げへの警戒感もくすぶっており、円買いが優勢になる場面も見られた。

東海東京インテリジェンス・ラボの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストは、投機筋の円売りポジションの調整が進み、153~154円程度で日銀会合結果を迎えると予想。「日銀の利上げなど結果次第では一段のポジション解消で150円を割れる可能性があるが、市場に失望される内容なら投機筋が再び円を売ってくるだろう」と話した。

 

円相場は、日銀の政策発表を翌日に控えて警戒感が高まっている上、日本株の下落もあり、一時買い優勢となった。日銀は国債買い入れ減額計画をまとめるほか、追加利上げの是非を議論する見通し。31日は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表も予定されており、日米金融政策の見極めから、低金利の円を売って高金利通貨を買う円キャリー取引の再開には慎重な雰囲気が広がっている。

日銀会合注目点:追加利上げと国債購入の減額計画、同時決定あるか

三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役(ニューヨーク在勤)は、日銀が将来を見通す形で早めの利上げに踏み切れば「それなりに円高方向のインパクトを与える可能性がある」と警戒する。一方、海外投資家の間では円売りの動きが終わったわけではないとの見方も多いとし、「日銀が利上げを見送れば、円ショートが再び膨らんでくるリスクはある」と指摘する。

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