(ブルームバーグ): ソフトバンクグループは12日、人工知能(AI)向け半導体スタートアップの英グラフコアを買収したと発表した。半導体とAI分野への投資強化の一環で、英国の関連企業買収は、半導体設計会社アームに続き2社目となる。
グラフコア(本社ブリストル)は、AIのアプリケーション処理を支援するインテリジェンス・プロセッシング・ユニット(IPU)の開発を手掛ける。
買収の金銭的な条件は開示していない。グラフコアの共同創業者ナイジェル・トゥーン最高経営責任者(CEO)は会見で、同社が現在の経営陣の下でソフトバンクGの子会社として今後運営されると明らかにした。
グラフコアは米半導体メーカー、エヌビディアと肩を並べる企業になると一時期待され、セコイア・キャピタルを含む著名投資家が参加した2020年の資金調達ラウンドで、企業価値を28億ドル(現在の為替レートで約4460億円)と評価された。
しかし、AIを巡る熱狂が半導体の需要を押し上げる状況にもかかわらず、グラフコアはその後顧客獲得に苦戦した。
グラフコアの直近の届け出資料によると、2022年の売上高は270万ドル、損益は2億460万ドルの赤字。同社は存続にさらに資金が必要と開示し、トゥーンCEOが有望な市場としていた中国から昨年撤退した。
ソフトバンクGの孫正義会長兼社長は、アームの新規株式公開(IPO)成功を受けて、派手なベンチャー取引からAIや半導体への戦略的投資にシフトしている。トゥーン氏は、グラフコアが「ソフトバンクファミリー全体」の中で機能すると述べたが、アームとの協業の詳細には言及しなかった。
原題:SoftBank Buys Struggling UK Chip Startup Graphcore in AI Race(抜粋)
(グラフコアCEOの発言などを追加して更新します)
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