(ブルームバーグ): 1日の債券相場は大幅下落。米国の長期金利の上昇を受けて先物が夜間取引で大幅下落した流れを引き継いだ。日本銀行による国債買い入れ減額と追加利上げへの警戒感のほか、企業短期経済観測調査(日銀短観、6月調査)で大企業製造業の景況感が改善したことも相場の重しとなっている
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広シニア債券ストラテジストは、日銀短観について「大企業製造業の景況感は改善したが、大企業非製造業などは弱めで強弱まちまちとの印象。日銀金融正常化の方向を強く後押しするほどではないが、あきらめるような内容でもない」と述べた。
日銀が1日発表した6月短観によると、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)はプラス13と、前回3月調査のプラス11から改善した。市場予想はプラス11だった。一方、大企業非製造業のDIはプラス33と、1991年以来の高水準だった3月調査(プラス34)から小幅に悪化した。
大企業製造業景況感2期ぶり改善、7月利上げの思惑維持へ-日銀短観
岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、債券相場は前週末の米金利上昇を嫌気し、2日の10年国債入札への警戒感から軟調な展開と指摘。基本的には9、10日の債券市場参加者会合を控え、国債買い入れの減額に対する警戒感から上値は重いとし、「投資家も動けない状況だ」とみている。
関連記事
- 【米国市況】株反落、大統領選の行方も意識-円は160円台後半
- 米PCEコア価格指数、5月は伸び減速-年内利下げの論拠補強
- ルペン氏極右最大勢力へ、仏下院選第1回投票-中道・左派は候補調整も
More stories like this are available on bloomberg.com
©2024 Bloomberg L.P.