自民党の派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法の改正案はきょうから参議院で実質的な審議が始まりました。野党側は自民党案について、「検討事項が多すぎる」として岸田総理を追及しています。
立憲民主党 熊谷裕人 参院議員
「検討、検討、検討。これまでも総理、「検討する」という答弁が多くて『検討使』と揶揄をされていたような面もありますが、この検討事項を今後どのように進めていく意思があるのか」
自民党・法案提出者 鈴木馨祐 衆院議員
「この問題、各党会派の政治活動と密接に関係するものであります。しっかり各会派の考え方を伺いながら、検討する場についてもしっかりそこは議論をしていかなくちゃいけない」
きょうから参議院の委員会で本格的に審議が始まった政治資金規正法の改正案。
野党側は、自民党が提出した改正案では、政策活動費について、▼「10年後の領収書の公開」の具体策や、▼支出をチェックする第三者機関の権限や設置時期などが「検討事項」にとどまっていることを追及しました。
また、衆議院での採決で自民党案に賛成した日本維新の会も、参議院では法案に賛成しない可能性をちらつかせて自民党側に対応を促しました。
日本維新の会 音喜多駿 政調会長
「参議院の審議を通じて、あるいは総理の答弁等々で、これは十分に誠実な履行が確約できないということであれば、衆議院と同じ対応するのが難しくなる場合もございますから、その点はしっかりと受け止めていただいて、午後この件また総理に問いますから」
そして午後、岸田総理が出席する参議院の決算委員会の場で、野党側は総理に直接法案の具体化を迫りました。
立憲民主党 徳永エリ 参院議員
「(自民党案の)抜け穴と言われるところの穴をしっかり埋めていく。あるいは不明確な制度設計についても、きちんと具体的に明確に答えていただく。先送りしない、このことを約束していただけないでしょうか」
岸田総理
「全体像について、特別委員会においても自民党の案を説明をさせていただき、こうした制度をより具体化していくために各党各会派と議論を続けていきたい」
また、与党の公明党からも第三者機関の設置時期について質問が飛びましたが…
公明党 下野六太 参院議員
「設置の時期は、この法律の主たる部分の施行期日が令和8年1月1日だとすれば、この施行期日までに設置するという考えでしょうか」
岸田総理
「自民党としても、なるべく早期に設置できるよう議論に貢献をしてまいります」
岸田総理は「議論を続ける」という答弁ラインを崩すことはありませんでした。

林官房長官「わだかまりなく手を合わせることができる環境を」“A級戦犯の分祀”取り組む考え 高市氏は否定