アメリカのバイデン大統領が武器の供与を停止する可能性に言及したことについて、イスラエル軍のラジオ局は「交渉におけるイスラエルの立場を損ねることになった」などと述べました。

バイデン大統領は8日、CNNテレビとのインタビューで、イスラエルがガザ南部・ラファに大規模な侵攻を始めた場合、武器の供与を取りやめると発言しました。

これについて、イスラエル軍のラジオ局は9日、バイデン大統領の発言を「無視することはできない」としたうえで、エジプトで続く戦闘停止に向けた交渉における「イスラエルの立場を損ねることになった」などと述べました。

一方、イスラエル政府高官は、地元テレビに対して「アメリカの支援なしでもラファに侵攻し、占領するための十分な手段を持っている」などと述べ、いかなる場合でもラファへの大規模な侵攻を開始することを示唆しました。

また、別のイスラエルメディアも「イスラエルはアメリカに保護されている国ではないと世界に対して知らしめるために、ラファに侵攻すべき」とする政府高官の話を伝えています。

さらに、イスラエルのネタニヤフ首相は9日、ビデオ声明を出し、「孤立することになったとしても、私たちは自分たちだけで立ち向かう」などと述べ、アメリカからの支援が停止されても、ラファへの本格侵攻を行う方針を示しました。

また、イスラエル首相府によりますと、ガラント国防相は9日に出席した式典で、「敵にも、親友にも、イスラエルを屈服させることはできない」などと述べたうえで、「必要なことは何でもする」とハマスの掃討を改めて強調しました。