アメリカのブリンケン国務長官が、南シナ海で中国の艦船がフィリピン側の船舶の航行を妨害し、「国際法を侵害している」と批判したことに対し、中国政府は「アメリカに介入の権利はない」と反発しました。

中国とフィリピンが領有権を争う南シナ海をめぐり、アメリカのブリンケン国務長官は19日、中国の艦船が放水砲を使ってフィリピン側の船舶の航行を妨げ、「国際法を侵害している」などと批判しました。

中国外務省 林剣 報道官
「アメリカは南シナ海問題の当事者ではなく、中国とフィリピンの間の海洋にかかわる問題に介入する権利はない」

中国外務省の林剣報道官は19日の記者会見でこのように反発した上で、「アメリカとフィリピンの軍事協力は、中国の南シナ海における主権と海洋権益を損なってはならない」と主張しました。

また、「中国は引き続き必要な措置を講じ、自身の領土主権と海洋権益を断固守り、南シナ海の平和と安定を維持する」とアメリカ側をけん制しています。

来月11日には日本と、アメリカ、フィリピンの3か国が首脳会談を行い、連携強化を確認する方針で、中国側は「中国包囲網」ともとれる3か国の動きに神経をとがらせています。