この夏、山梨の魅力を発信するクラフトビールが誕生しました。

元地域おこし協力隊として移住した男性の挑戦です。



地元では馴染みのある街並みに、名所である三つ峠の豊かな自然を撮影したもの。


平山裕子アナウンサー:
これらの写真をラベルにしたクラフトビールが2022年8月西桂町で誕生しました。


西桂町小沼にあるTPMブリューイング。



三つ峠の「Three Peaks Mountain」の頭文字からとりました。

ビールを醸造しているのは寺田哲史さん40歳。


TPMブリューイング代表 寺田哲史さん:
やっぱり富士山の伏流水を使ったビールなので口当たりの柔らかいビールを目指している。


寺田さんは3種類のビールを醸造。一番人気の「ニューイングランドIPA」の味は。

平山アナ:
ホップのいい香りが口の中に広がります。フルーティーですっと体の中に溶け込んでいく、とても飲みやすいビールですね。


また「スタウト」という黒ビールは原料をコーヒーに漬け込んでいるためコーヒーの香りや苦みが楽しめます。

このビール。味以外にもう一つ特徴が。


平山裕子アナ:
ビールがおいしいのはもちろんなんですけれども、ラベルがまたとても素敵ですよね。


寺田哲史さん:
この写真は私が撮影したものなんです。ビールのラベルを通じて町の魅力、西桂町の魅力を多くの人に発信したい。



寺田さんは「現役の写真家」。

ラベルは自ら撮影した西桂町の選りすぐりの景色です。


寺田哲史さん:
このラベルはこの辺りで撮影したものです。三つ峠は西桂町のシンボルですからそのシンボルをどううまくラベルにできるかなと思いここを選びました。


自然や街並みなど、西桂への想いが詰まった写真ばかりです。

静岡県出身の寺田さんは写真家を目指して大学へ進学。


卒業後は大学で写真技術を教えると同時に、2016年地域おこし協力隊として西桂町へ移住してきました。


ビール醸造を始めたのは3年の任期終了後にオープンしたカフェギャラリーがきっかけでした。

寺田哲史さん:
そのカフェギャラリーを営業している時に市販のクラフトビールを提供していたんですけど、(クラフトビールが)すごく人気でブームを感じた。


当時、カフェで話題に上がったのはこの町の課題。


寺田哲史さん:
人がどんどん離れていくというか人が集まる町に、なかなかなっていないという現状がずっと解消されないままいるという、そいういったものを飲みながら話す機会がありました。


そこでクラフトビールを造り地域を盛り上げようと考えたのです。


1994年、酒税法の改正で小規模なビール醸造が可能になるとクラフトビールは全国各地で作られるように。


山梨では今年だけでこちらを含め3か所が新たにオープン。西桂のビールファンにも好評です。


ビールを飲みに来た人:
コクと苦みが炭酸を強めにすることですごく飲みやすい



ビールを飲みに来た人:
味はおいしいですね、このビールを見つけてから(大量生産の)ビールを飲む頻度が減りつつあります。


ビールを飲みに来た人:
やっぱ写真ですよね、本当に素朴な我々からするとすぐそこにある近所の写真なので、それがとても うれしいですね。


現在、賛同した人たちが西桂町でホップの試験栽培をはじめるなど輪も広がってきています。


寺田哲史さん:
西桂町内にクラフトビールの大きな醸造所を作って、そうすれば町に雇用が生まれますし、ビールのラベルに西桂町の写真を使うことでこの町ってどんな場所かなという興味、その2つが両輪のようになっていけたらいいなと思う。


西桂町の美しい景色とおいしいビールで地域を盛り上げたい。



挑戦は続きます。