女学生からの手紙を受け取ったのは陸軍の技術者=技手としてアッツ島にいたこともある志村太郎さん。
南アルプス市鏡中条の出身で、この時、アッツ島近くのキスカ島で飛行場の整備に従事していました。
市が保管する志村さんの手帳には日々、アメリカ軍の攻撃にさらされ帰国するまで死と隣り合わせだった従軍の様子が記されています。
それでも、ある日…
=志村太郎技手の従軍日誌=
「本日は敵さんも来らず 一日ゆくりと休養をなす 蓄音機を午后聞く 湖畔の宿を聞いたときは甲府の澤田屋を思い出したり 澤田屋のケーキの味も思い出す」
つかの間の休息で心に浮かんだのは遠い故郷のケーキの味でした。
澤田屋広報室 黒澤玲那取締役:
「今の時代とはまた違った流れの中でも、甘いものは支えになったのかな、と感じる。心がじんとしています」