コロナ禍、不安と戦う日々
東京の出版社に作品を持ち込むなどして仕事に結びつけます。しかし、仕事を始めて1年足らずでコロナ禍に突入。生活していけるのか、不安と戦う日々が続きました。
コサカさん
「やっぱり本当つらかったんで、毎年多分最低でも1回は本気でやめようみたいなのは誰かに相談してて」
一度は諦めた夢、手放したくない
それでも頑張れたのは子どもの頃から、ただひとつ、人に喜んでもらえた、人から評価してもらえたのが、絵だったからです。
コサカさん
「1回諦めた夢でもありましたし、それを再度本気になってやったのに、やめちゃったらあとはじゃぁ何が残るんだろうっていう。なんか自分のアイデンティティがなくなってしまうんだろうなっていうのでなんとか踏ん張って、やってこれたのかなっていうところですね」
試行錯誤の末に…自分なりの「リアルさ」を
不安は試行錯誤につながりました。コロナ禍に、デジタル画への挑戦を始めました。それが新たな試行錯誤を生みました。

コサカさん
「写真のようですごいねみたいな、別にそれは悪い表現ではないんですけど、言ってしまえば写真でももしかしたら置き換えられるような物になっちゃうんじゃないかと自分では感じてて」
長所である「リアルさ」も漠然と不安要素に感じてしまいます。どうしたら写真と差別化できるのか…。
コサカさん
「見た時に絵ってわかるようにラフに描いてる部分と、しっかり見せたいところは忠実に描き込んでるっていう差を出して描いてる絵ですね」
こうした試行錯誤が大賞を受賞した作品につながりました。
コサカさん
「どう工夫すればおもしろい絵というか、人が見て足を止めて何かを考えたくなるような絵になるかなって考えたので」
企業の目にとまればいいとコロナ禍にも自身のHPに多くの絵を発表してきました。コロナ禍が終わりかけた頃、一気に仕事が入りだし、生活も軌道に乗り始めました。
去年夏には結婚。妻の優佳さんは、試行錯誤を繰り返すコサカさんを見守ってきました。

小阪優佳さん
「悩んで出した答えだったと思うので、それで大賞を取って評価してもらえたっていうのはすごく頑張ってる姿を見てたからこそ、よりうれしいなとは感じました」
新婚旅行も創作の刺激に
新婚旅行で訪れたイタリアで、新たな気づきを得ました。
コサカさん
「山口県はどちらかというとやっぱり広大で開けていて、イタリアはあまり普段慣れ親しんでない風景だったなと思いますね」

イタリアの街を描いた新作。しっかり描いた部分とあえてラフにした部分とのコントラストが印象的です。悩み、試行錯誤を続けてきたからこそ進化し続けます。
コサカさん
「画家としてもやっぱりやっていきたいという思いがあって、それで新進アーティスト大賞をもらって、その道も多分がんばればいけるんだなっていう兆しが見えたので」
イラストレーターとして、画家として。苦しい時期を乗り越えて迎えた今年も、試行錯誤を続けます。













