4日午前、山口県宇部市南部の広い範囲で都市ガスが漏れ、少なくとも22か所で建物火災が発生しました。市内にある、ガスを供給時に圧力を調整する整圧器”ガバナ”の異常が原因で、通常の約12倍の圧力がかかっていたことが、ガス会社の会見で明らかになりました。ガス会社が装置を分解して確認したものの、装置内のどこに不具合が起きて圧力が高まったのか、具体的な原因はまだ判明していません。

警察と消防によりますと4日午前6時ごろから、宇部市南部の広い範囲でガス漏れの通報が約200件以上ありました。少なくとも市内22か所で、建物火災が発生したということです。いずれも、住宅などの一部が焼けたとみられ、2人が手にやけどなどの軽いけがをしました。

市内の住宅では、台所の一部を焼きました。コンロを使おうとしたところ、ガスが勢いよく吹き出るような音がしたといいます。

火災被害があった住宅の人
「コンロの火花がついて、ガスの元栓のあたりから燃え上がった。ガスの元栓を閉めているのにずっと燃え続けた」

ガスを供給する山口合同ガスによると、異常のあったガバナは1980年に設置し、保安規定により6年に1回ほど分解点検をしており、直近2025年2月の点検時には異常は認められませんでした。同じ型式は、市内に16台あるということです。

山口合同ガスでは、ガス供給停止地域の市内29か所のガバナを確認し終え、28か所では異常はなかったということです。病院や学校など緊急性の高い施設を優先して復旧させる予定で、全体の復旧は未定ですが来週早々にも完了したいとしています。山口合同ガス社員110人に加え中四国管内ガス事業者50人の応援のもと、計160人で対応するということです。