バレーに打ち込める環境を

山口市の徳地中女子バレー部。午後4時から8時まで日々練習に励んでいます。

中川忠俊さん
「アウトならアウトっていう表情をだせ」

指導するのは、3年前に定年退職した元教員の中川忠俊さんです。徳地出身で、自身も中学生の頃バレーを始めました。教員になってからは徳地中学校など5つの中学校で30年以上女子バレー部を指導。短期間で学校を異動することもあり、中学生がバレーに打ち込める環境作りを模索してきました。

中川さん
「今までここで培ってきたバレーボールの伝統を引き継いでいったほうが、今後また数年後には私また転勤したり退職したりありますので、それよりはここでずっと続けるほうが有効だろうということで」

10年前に立ち上げたクラブチーム

2013年、教員時代に立ち上げた「山口徳地ジュニアバレーボールクラブ」。部活動の地域移行に先駆けて、徳地中の生徒だけでなく市内外から生徒を受け入れ、中川さんが一貫して指導できる態勢を作りました。

中川さん
「将来どんな形になろうとも対応できるような態勢を作っていると。だから学校の部活動でもあるし、地域のクラブ活動でもあるし。ようはバレーがしたいっていう子がバレーができる環境を作ってやると」

スカウトなし、指導は「選手主導」

スカウトは一切ありません。結成当初は、1チームを作るのにぎりぎりの人数でしたが、今では、バレーの上達を志し毎年10人近くの生徒が入部してきます。中川さんの指導のモットーは「選手主導」。練習中、多くを口にはしません。

部員「周りの人が取っとるけ、そこ注意してやっていこう」

選手1人1人が自ら考え、練習中気づいた事は学年に関係なく選手同士で注意し合います。

中川さん
「生活を含めて自立を主体においた生き方というか、バレーの練習も子どもの自立を考えた練習を今仕組みつつあります」

練習後は夕食づくり

練習を終え、一足先に寮に戻る中川さん。実家を寮にしていて、妻とともに夕食の準備です。

中川さん
「メニューはだいたい私が食材を買うんです、適当に。それで女房が考えます。朝ご飯は私が作ります」

一度に炊く米は20合。この日はカツカレーにサラダ、ヨーグルトと栄養バランスを考えたメニューが並びます。冷蔵庫には、納豆や豆腐、卵が保存してありました。

中川さん「これで1日分」

午後8時。

寮に戻る選手たち「帰りました、奥さんこんばんは」

寮に帰ると、まずは食事です。選手の表情が和みます。

部員「うーん。カレーのスパイスがほどよくておいしいです!」