春のセンバツ高校野球に初出場の山口県光高校は、きょう初戦です。
29年前、夏の甲子園で監督としてチームを率いた坂本昌穂さん。「光」の一字が刻まれた帽子を手に、エールを贈りました。

山口市・徳地地区。4度甲子園の土を踏んだ名将を、自宅に訪ねました。
記者「こんにちは」
坂本昌穂さん「ようこそ」
南陽工、光を甲子園へ導く
坂本昌穂さん、78歳。昔からの高校野球ファンには覚えている人も多いのではないでしょうか。1978年、エース・津田恒美投手を擁する南陽工業を率いて春夏連続で甲子園に出場。93年、94年の夏の甲子園には、光高校を導きました。春、夏ともに甲子園を経験しましたが、春の独特な雰囲気をよく覚えています。

坂本さん
「センバツと夏の大会って全然イメージが違うんよね。センバツって春で、球場の中に足を踏み入れたらお客さんがうわーっと。春だからお客さんたちの衣装が赤があり黄色があり、緑あり、ものすごいカラフルなんよ。うわーきれいだな、花畑だというふうに思った」
光、29年ぶりに甲子園へ
かつて率いた光が29年振りに甲子園の土を踏みます。
坂本さん
「うれしかったね~。ほんとにうれしかった。自分が監督をやっていた頃、甲子園決めたとき以上にうれしいような感じがしたね。30年ぶりぐらいやからね」
球児への優しいまなざしは変わらず
高校野球の現場を離れてもう25年になります。それでも野球の話になると、現役当時に戻ったかのようです。

坂本さん
「今のチームは守備も鍛え込まれているし動きはいいし、バッティングは小粒なんだけども、指導が徹底しているというか、右方向におっつけるようなバッティングが得意で、しぶとい感じがしたよね」
チームから嬉しいプレゼント

先月、光高校の宮秋監督と升田キャプテンらがセンバツ出場を知事に報告しました。この日坂本さんにとって、うれしいことがありました。宮秋監督や升田キャプテンが自宅を訪れ、光高校の帽子を贈られたそうです。

坂本さん
「県庁にご挨拶に行くじゃないですか、その帰りに寄ったんだと。監督からプレゼントしてもらって。これいいよね、このマークがいいよね。家を出るときから被っていきますよ(笑)」
甲子園初勝利へ元監督の予想は…?
自身が光の監督を務めた2度の甲子園。勝利を挙げることはできませんでした。初勝利へ、こんな展開を予想しています。
坂本さん
「先取点を1点取ってずるずる1対0でいって、3対2ぐらいの試合ができるような気がするけどもね。接戦になったら光高は強い!」
勝利よりも…思い出に残る大会に
初勝利を見届けたい気持ちはもちろんあります。しかし、こんな気持ちも偽らざるところです。

坂本さん
「結果はどうであれ、一生懸命やっていい思い出を作らせてやってと思うだけよね。」
高校球児を30年、間近で見守ってきた元指導者が望む、たったひとつのことです。