美祢市に住む自転車競技のパラアスリート・大谷春樹選手。
今月、フランスの世界選手権に日本人として初めて出場し、2つの銀メダルを獲得しました。
きょう、山口県に帰り、喜びの声をあげました。
フランスの世界選手権から、大谷春樹選手が戻ってきました。
12日ぶりの帰郷。
胸には、2つの銀メダルが輝いていました。
大谷春樹選手「ダブル銀メダルをもらってうれしかった、笑った気持ちです。一生懸命練習しました」
空港の職員がメダルを触らせてもらっていました。
「おめでとう、どうやった?緊張した?」
「とってもうれしかった」
「よかったね、本当よかった。私たちも結果だけは見ていて、銀メダル、おめでとうございます」
今年1月、大谷選手は世界選手権に向け、多い日には200キロの公道を走るなど厳しい練習を続けてきました。
コーチの父・正樹さんとともに2人3脚で練習を重ねました。
大谷選手は今月、フランスのヴィシーで開かれた知的障害者の自転車競技の世界選手権に初めて出場。
6日の男子60キロのロードレース、7日の男子10キロのタイムトライアル、ともに2位でフィニッシュしました。
大谷春樹選手「レースのときは勝つことだけを考えました」
父親の正樹さんが同行し、間近でレースを見てきました。
父・大谷正樹さん「積み重ねてきたことがすべて出せたのかなと思います。本当、僅差でしたけど実力がついたと思えたレースでした」
世界一とはなりませんでしたが、2人は次につながる手応えを感じたといいます。
大谷春樹選手「かっこいいメダルです。とってもうれしい気持ちになっています」
このメダルを見せたかった人が空港に迎えに来ていました。
「ただいま」
「お疲れやったね」
「ダブル銀メダルもらったよ、お母さん」
「すごいね、よかった」
母・大谷藍さん「うれしそうだったので、頑張ってきたかいがあったんじゃないかなと。とても誇らしいと思います」
喜びもつかの間、次の大会を見据えて自宅に戻ってからは早速練習です。
大谷春樹選手「(パリの)パラリンピックに出たいです。僅差で負けないように頑張ります」
現在のパラリンピック・自転車競技に、知的障害者の部門はありません。
それでも、いつかは…と信じ、夢の実現に向け、足を休めることはありません。