巻き上げた網カゴの中には・・・
原アナ
「ダメ?」
晋也さん
「ダメ。」
コウイカが必ず捕れるわけではありません。
シーズン中は ずっと、600mのロープ10本に装着した、計300個の網カゴを 海に仕掛けます。水面で確認し、捕れていなければ、再び海へ沈め、その繰り返しです。

晋也さん
「入ってるよ、スミがかからんように…」
原アナ
「 結構、大きいですよ」
孝昭さん
「よかった、いやうれしいのぉ。昨日からプレッシャーかかって、最初イカ入ったやろ、よかった~」
さらに。
孝昭さん
「子がついちょるやろ、これが子」
晋也さん
「コウイカの卵」
丸いカプセルのようなのが、コウイカの卵です。
イカシバとは間伐材などを束ねた「人口産卵床」の事。下関市安岡地区では本来、カゴにツゲの木を取り付けて、そこに産卵するイカを誘うのが伝統ですが、ツゲの木を毎シーズン購入する費用削減などの理由から、今年全て、緑と赤のナイロン製にしました。
1本のロープには30個のカゴが仕掛けられ、船は動き続けながら、コウイカを捕獲します。
原アナ
「今、この時の船の操縦が?」
晋也さん
「そう、ロープが入ってる方向に船を持っていく。カゴを手繰り寄せていく所に船を持っていくのが難しい」

一歩間違えれば、ロープがスクリューに絡まり、大事故につながりかねません。さらに、孝昭さんの左手に注目。
孝昭さん
「かわすやろ、このタイミングなんよ」

カゴが船に近づく瞬間、2本あるロープのうち、1本を すかさず 外す・・・カゴを繋ぐロープを巻き込まないよう、この動作を300個分行います。
孝昭さん
「このタイミング、これ!」
原アナ
「今の瞬間?」
晋也さん
「うん、今の瞬間」
最盛期はまだということで、ここまでぼちぼちの収獲。イカスミと格闘しながら、漁は続きました。
孝昭さん
「うわぁ、海は広いのぉ、最高じゃぁ」
ただ、このイカシバ漁、いま大きな問題を 抱えています。下関市安岡地区では 明治時代に始まったイカシバ漁。最盛期には、13もの船が 網カゴを使ったと言います。
孝昭さん
「全部手作り、手作りみな、全部手作り、一つ一つ、人のものもらったこと一度もない。死んだ人もしよったけど今できる人おらんよ、全部手作り。それやらんにゃ、イカ捕れんわね、そうやろ」